大手前高松中2015 大問7|直方体の角の切り取り(表面積・体積)を解説
大手前高松中2015年度の算数大問7を解説。直方体の角から小さな直方体を切り取った立体の表面積・体積・体積の倍を求めます。「角を切り取っても表面積は変わらない」という見方から、一つずつ丁寧に解説します。高松市の学習塾クローネ学園が中学受験の基礎を支えます。
この問題について
大手前高松中 2015 年度の大問 7 は,直方体の角を切り取った立体の問題です。縦 7・横 6・高さ 5cm の直方体から,縦 5・横 3・高さ 2cm の小さな直方体を角から切り取り,その立体の表面積・体積・体積の倍を求めます。
この問題のいちばんの山場は (1) です。「角を切り取ったら表面積はどう変わるか」を,へこんだ面の動きで見抜けるかがポイントになります。この記事では次のことを解説します。
- 角を切り取っても表面積が変わらない理由
- 「全体から引く」で体積を求める考え方
- 「何倍か」を割合の基本で求める方法
7 問題の図
縦・横・高さがそれぞれ 7cm・6cm・5cm の直方体から,縦・横・高さがそれぞれ 5cm・3cm・2cm の直方体を切り取りました。
7 (1)切り取られた立体の表面積
切り取られた立体の表面積を求めなさい。
難易度: ★★☆☆☆ 分野: 立体図形(表面積) 目安時間: 2分
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この問題のカギは,角を切り取っても表面積は変わらないことに気づくことです。
へこんだ面ア、面イ、面ウをそれぞれ右図のように動かすと 直方体になる ということです。 面を動かしただけなので表面積は変わりません。 ただし、このような面の移動では、体積は変化するので注意しましょう。
つまり,求める表面積は元の直方体(縦 7・横 6・高さ 5cm)の表面積と同じです。
(答)214 cm²
KRONE ポイント
へこんだ面を動かすと もとの直方体に戻る ので,表面積は変わりません。すべての面を数え直さなくても,元の直方体の表面積を求めればよいのです。ただし体積は,面を動かしても元には戻らないので注意しましょう。
7 (2)切り取られた立体の体積
切り取られた立体の体積を求めなさい。
難易度: ★☆☆☆☆ 分野: 立体図形(体積) 目安時間: 2分
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体積は,表面積とちがって素直です。元の直方体から,切り取った小さな直方体を引きます。
元の直方体の体積は,
切り取った直方体の体積は,
切り取られた立体(残り)の体積は,全体からいらない部分を引いて,
(答)180 cm³
KRONE ポイント
体積は「全体から引く」でそのまま求まります。(1) で見たように,面を動かしても体積はもとに戻らないので,切り取った分はきちんと引きましょう。
7 (3)体積は切り取った立体の何倍か
切り取られた立体の体積は,切り取った立体の体積の何倍ですか。
難易度: ★☆☆☆☆ 分野: 立体図形・割合(倍) 目安時間: 1分
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「何倍か」は,くらべられる量を,もとにする量でわるだけです。
(答)6 倍
KRONE ポイント
「何倍か」と聞かれたら,もとにするのはどちらかを読み取ります。ここでは「切り取った立体の何倍か」なので,切り取った 30cm³ でわります。
例題で確かめよう
考え方が身についたか,似た問題で確かめてみましょう。
(例題1)縦4cm・横5cm・高さ6cmの直方体の角から、小さな直方体を切り取りました。切り取られた立体の表面積は何cm²ですか。
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角の切り取りなので,表面積は元の直方体と変わりません。
(答)148 cm²
(例題2)縦4cm・横5cm・高さ6cmの直方体から、縦2cm・横2cm・高さ3cmの直方体を角から切り取りました。残った立体の体積は何cm³ですか。
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全体から切り取った分を引きます。
(答)108 cm³
(例題3)例題2で、残った立体の体積は、切り取った立体の体積の何倍ですか。
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残り 108cm³ を,切り取った 12cm³ でわります。
(答)9 倍
この問題から学ぶこと
大問 7 で問われているのは,立体を切り取ったとき,何が変わって何が変わらないかを見抜く力です。
おもしろいのは,同じ「角の切り取り」でも,表面積は変わらず,体積は減るという点です。表面積は,へこんだ面を動かすともとの直方体に戻るので,元のまま。一方,体積は中身がなくなる分だけ確実に減ります。この「変わるもの・変わらないもの」を区別できると,立体の問題でつまずきにくくなります。
体積や (3) の「何倍か」は,「全体から引く」「くらべられる量をもとにする量でわる」という基本どおりで,落ち着いて計算すれば確実に取れます。差がつくのは (1) の表面積——ここで全部の面をやみくもに数えるのではなく,「面を動かすともとの直方体に戻る」と見抜けるかが勝負どころです。
なお,この見方は中学・高校で学ぶ立体の表面積・体積にそのままつながります。小学生のうちに「面を動かして考える」感覚を身につけておくと,上の学年でも立体に強くなれます。
クローネ学園での指導
クローネ学園では,立体の問題を「公式に数字を入れる」だけで終わらせず,図にかき込みながら,どの面がどう動くかを自分で確かめることを大切にしています。(1) の「角を切り取っても表面積が変わらない」は,言葉で覚えるだけでは身につきません。へこんだ面ア・イ・ウを動かすともとの直方体に戻ることを自分の手で確かめてはじめて納得できます。
体積や倍の計算は,「全体から引く」「もとにする量でわる」という道すじを声に出して確かめながら進めます。手を動かして確かめる習慣がつくと,初めて見る立体でも落ち着いて解けるようになります。反復練習には,登録不要・無料で使えるクローネらぼもご活用ください。
まとめ
- 直方体の角を切り取っても,表面積は元の直方体と変わらない(へこんだ面を動かすともとの直方体に戻る)→ 214cm²
- 体積は「全体から引く」で求める → 210−30=180cm³
- 「何倍か」はくらべられる量をもとにする量でわる → 180÷30=6倍
- 同じ切り取りでも「表面積は変わらず・体積は減る」を区別するのがポイント
- この見方は中学・高校の「立体の表面積・体積」につながる
クローネ学園では、中学受験を目指す小学生の算数・国語の指導を行っています。 高松市で中学受験対策の学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。
本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
Index
大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
直方体の角を切り取ると、表面積は変わりますか?
角から小さな直方体を切り取っても、表面積は元の直方体と変わりません。へこんでできた3つの面を、それぞれ外側へ動かすと、もとの直方体にぴったり戻るからです。面を動かしただけなので表面積はそのまま、7×6×2+6×5×2+5×7×2=214cm² になります。ただし、面を動かしても体積はもとに戻らない点に注意しましょう。
切り取られた立体の体積はどう求めますか?
元の直方体の体積から、切り取った小さな直方体の体積を引きます。元は7×6×5=210cm³、切り取ったのは5×3×2=30cm³なので、残った立体の体積は210−30=180cm³です。「全体から、いらない部分を引く」という考え方で求められます。
「切り取られた立体は切り取った立体の何倍か」はどう求めますか?
切り取られた立体(残り)の体積180cm³を、切り取った立体(小さな直方体)の体積30cm³でわります。180÷30=6なので、6倍です。「何倍か」を聞かれたら、くらべられる量をもとにする量でわる、という割合の基本どおりに計算します。
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