愛光中2013 大問4|カードの数字の和から引いた回数を求める
愛光中学校2013年度(平成25年度)算数の大問4を解説。3・5・8のカードを引いて和を作り、その和から何回ずつ引いたかを求める問題です。3種類が混ざるときの絞りこみ、和を1回多く足してしまう条件のあつかいまで、着眼点と手順を追って整理します。高松市の学習塾クローネ学園。
この問題について
愛光中学校 2013 年度(平成 25 年度)の大問 4 は、3・5・8 の数字が書かれたカードを何回も引いて、出た数字の和を作る問題です。和はわかっているけれど、どのカードを何回引いたかはわからない——そこから回数を求めていきます。
むずかしいのは、何種類かのカードが混ざっていて、和だけからは何回ずつ引いたか決まらないように見えることです。(1) は 2 種類、(2) は 3 種類と、混ざる種類が増えていきます。(3) ではさらに「和を 1 回多く足してしまった」という条件が加わります。どこに着目すれば回数が決まるのか、まずは自分で考えてみてください。
同じ愛光中の2013年 大問3(速さの比・追いつき)・2013年 大問2(比の文章題)・2010年 大問2(速さの比)の解説もあわせてご覧ください。
愛光中(2013)4
3・5・8 の数字が書かれたカードがそれぞれ 1 枚ずつあります。この中からカードを 1 枚引き、出た数字を記録してから元にもどすことをくり返し、最後にそれまで記録した数字の和を計算します。例えば、3 回カードを引いた結果が 3・3・5 のとき、和は 11 です。このとき、次の問いに答えなさい。
- (1)カードを 10 回引いたとき、3 と 5 のカードだけが出て、その和は 36 でした。5 のカードを何回引きましたか。
- (2)カードを 7 回引いたとき、3 と 5 と 8 のカードがすべて出て、その和は 37 でした。3 のカードを何回引きましたか。
- (3)カードを 9 回引いて和を計算するときに、間違えてある数字を 1 回多く足してしまいました。その結果、和は 57 になりました。8 のカードを何回引きましたか。考えられる回数をすべて答えなさい。
4 (1)
カードを 10 回引いたとき、3 と 5 のカードだけが出て、その和は 36 でした。5 のカードを何回引きましたか。
答え・解説を見る
3 のカードと 5 のカードが、合わせて 10 回出て、和が 36 です。何回ずつかはまだわかりません。そこで、いったん 10 回すべてが 5 のカードだったと仮定します。
10 回すべてが 5 のカードなら、和は
実際の和は 36 なので、仮定した 50 より 14 小さいことになります。
この 14 は、どこから生まれたのでしょうか。5 のカードだと思っていたものの中に、本当は 3 のカードが混じっていたからです。5 を 1 枚 3 に置きかえるたびに、和は
ずつ小さくなります。14 小さくするには、置きかえた回数は
つまり 3 のカードが 7 回出ています。全体は 10 回なので、5 のカードは
(答)5 のカードは 3 回
KRONE ポイント
「3 と 5 が混ざって和が 36」だけでは手が出ません。いったん全部を 1 種類に決めてしまう——ここでは「全部 5」と仮定して和 50 を作る。それが、正体のわからない混ざりものに手がかりを与えます。仮定の和 50 と実際の 36 の差 14 は、「5 を 3 に置きかえた分」だけ生まれたもの。1 回の置きかえで 2 ずつ縮むから、14 ÷ 2 で置きかえた回数が出ます。これがつるかめ算の骨組みです。
4 (2)
カードを 7 回引いたとき、3 と 5 と 8 のカードがすべて出て、その和は 37 でした。3 のカードを何回引きましたか。
答え・解説を見る
今度は 3 種類が混ざります。(1) と同じで、いったん全部を一番大きい 8 のカードと仮定します。
7 回すべてが 8 のカードなら、和は
実際の和 37 との差は
この 19 は、8 を 5 や 3 に置きかえたことで生まれた縮みの合計です。1 回の置きかえで縮む大きさは、カードの数字の差で決まります。
8 を 5 に置きかえると 3 縮み、8 を 3 に置きかえると 5 縮みます。この「3 縮み」と「5 縮み」を組み合わせて、ちょうど 19 を作ります。
5 縮みを 2 回、3 縮みを 3 回で 19 です。これは、8 を 3 に置きかえたのが 2 回、8 を 5 に置きかえたのが 3 回、という意味です。置きかえなかった 8 のカードは
まとめると、3 のカードは 2 回、5 のカードは 3 回、8 のカードは 2 回です。3 種類ともすべて 1 回以上出ていて、回数の合計も 7 回になっているので、条件に合います。
(答)3 のカードは 2 回
別の見方でも確かめられます。3・5・8 がすべて 1 回は出ているので、その 3 枚ぶん(3 + 5 + 8 = 16)を先に取り分けると、残りは
これを、残り 4 回ぶんの 3・5・8 の和で作ります。21 = 8 × 2 + 5 × 1 なら残りは 3 枚で 4 回に足りず、21 = 8 × 1 + 5 × 2 + 3 × 1 なら残り 4 回にちょうど合います。どちらの見方でも、3 が 2 回・5 が 3 回・8 が 2 回にたどりつきます。
KRONE ポイント
2 種類のときは「置きかえ 1 回で 2 縮む」の 1 通りでした。3 種類になると、縮み方が「3 縮み」と「5 縮み」の 2 通りに増えます。縮みの種類を先に整理してから、差をぴったり作る組み合わせをさがす——これが 3 種類のつるかめ算の進め方です。やみくもに数を当てはめるのではなく、1 回あたりの効き目を書き出してから組むと、迷わず絞りこめます。
4 (3)
カードを 9 回引いて和を計算するときに、間違えてある数字を 1 回多く足してしまいました。その結果、和は 57 になりました。8 のカードを何回引きましたか。考えられる回数をすべて答えなさい。
答え・解説を見る
引いたのは 9 回ですが、ある数字を 1 回多く足したので、和 57 は「10 回ぶんの数字を足した和」と同じになっています。そこで、カードを 10 回引いたと考えて和 57 を作り、あとから多く足した 1 枚を戻します。
10 回すべてが 8 のカードなら、和は
実際の 57 との差は
(2) と同じように、8 を 5 に置きかえると 3 縮み、8 を 3 に置きかえると 5 縮みます。23 を「3 縮み」と「5 縮み」で作る組み合わせは、2 通りあります。
上の 23 = 5 × 4 + 3 × 1 は、8 を 3 に置きかえたのが 4 回、8 を 5 に置きかえたのが 1 回。このとき 10 回の内訳は、3 が 4 回・5 が 1 回・8 が 5 回です。
下の 23 = 5 × 1 + 3 × 6 は、8 を 3 に置きかえたのが 1 回、8 を 5 に置きかえたのが 6 回。このとき 10 回の内訳は、3 が 1 回・5 が 6 回・8 が 3 回です。
ここまでは「10 回ぶん」の話です。実際に引いたのは 9 回なので、多く足した 1 枚をどれにするかで、8 の回数が変わります。多く足せるのは、その数字が実際に出ているカードだけです。
まず 3 が 4 回・5 が 1 回・8 が 5 回の内訳から。
- 多く足したのが 8 なら、実際の 8 は 5 − 1 = 4 回
- 多く足したのが 3 なら、実際の 8 はそのまま 5 回
つぎに 3 が 1 回・5 が 6 回・8 が 3 回の内訳から。
- 多く足したのが 8 なら、実際の 8 は 3 − 1 = 2 回
- 多く足したのが 5 なら、実際の 8 はそのまま 3 回
出てきた 8 の回数を集めると、2 回・3 回・4 回・5 回です。どれも、実際に引いた 9 回のうちに多く足した数字がきちんと 1 回以上あり、成り立ちます。
(答)2 回・3 回・4 回・5 回
KRONE ポイント
この問いのむずかしさは、つるかめ算そのものではなく、「1 回多く足した」を回数のずらしに置きかえるところにあります。多く足した和 57 は、10 回引いたときの和と同じ。だから 10 回で内訳を出し、そこから多く足した 1 枚を戻して 9 回に直します。戻す数字が 3・5・8 のどれかで場合が分かれるので、すべての場合を書き出して数え落とさないのが、「すべて答えなさい」への答え方です。
この問題から学ぶこと
大問 4 は、(1)(2)(3) がすべて つるかめ算の同じ骨組みでできています。「いったん全部を 1 種類のカードと仮定し、実際の和との差を、置きかえた回数として読み取る」——この 1 つの型を、少しずつ形を変えて 3 回使います。
(1) は 2 種類なので、置きかえ 1 回で縮む大きさが 1 通り(2)でした。(2) は 3 種類に増え、縮み方が「3 縮み」「5 縮み」の 2 通りになりました。1 回あたりの効き目を先に書き出し、差をぴったり作る組み合わせをさがす、という進め方が加わります。(3) は、そこに「和を 1 回多く足した」という条件が重なります。多く足した和は 10 回ぶんの和と同じだから、10 回で内訳を出してから 1 枚戻す、と回数をずらして考えます。
つまずきやすいのは 2 か所です。1 つは (2) で、縮みの組み合わせを整理せずに数を当てはめようとして、時間を使ってしまうこと。「3 縮み」「5 縮み」を先に書き出すのが近道です。もう 1 つは (3) で、10 回の内訳を出したところで満足してしまい、多く足した 1 枚を戻すのを忘れること。問われているのは実際に引いた 9 回での 8 の回数なので、戻す一手が要ります。しかも戻す数字で場合が分かれるため、すべて書き出さないと数え落とします。
クローネ学園での指導
クローネ学園では、つるかめ算を「面積図に当てはめる型」として覚えさせるのではなく、「まず全部を 1 種類に決めてしまう」という発想そのものを身につけてもらいます。混ざっていて手が出ないものは、いったん 1 つに固定すると、実際とのちがい(差)が手がかりになる。この考え方は、カードでも、つるとかめでも、速さでも、同じように効きます。
考える力を育てる指導のポイント: 混ざっているものが出てきたら「もし全部が◯◯だったら?」と仮定させます。仮定した答えと実際の差がどこから生まれたかを問い返すと、置きかえの回数という次の手がかりが見えてきます。公式の形を覚えるより、この「固定して差を読む」動きを自分で起こせることが、初めて見る問題に向かう力になります。
つるかめ算(カードの和)の解き方(まとめ)
- 混ざっていて回数がわからないときは、いったん全部を 1 種類と仮定して和を作る
- 仮定した和と実際の和の差は、置きかえによって生まれた縮みの合計とみなす
- 置きかえ 1 回で縮む大きさは、カードの数字の差で決まる(8→5 なら 3、8→3 なら 5)
- 3 種類のときは、縮みの種類を先に書き出してから、差をぴったり作る組み合わせをさがす
- 「1 回多く足した」和は、1 回多く引いたときの和と同じ。回数を 1 増やして内訳を出し、あとから 1 枚戻す
- 「すべて答えなさい」では、場合分けをもれなく書き出して数え落とさない
同じ愛光中の2013年 大問3(速さの比・追いつき)・2013年 大問2(比の文章題)・2010年 大問2(速さの比)の解説もあわせてご覧ください。
クローネ学園では、中学受験を目指す小学生の算数・国語の指導を行っています。 高松市で中学受験対策の学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。
本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
Index
大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
「全部を同じカードとすれば」と仮定するのはなぜですか?
回数のちがうカードが混ざっていると、和だけからは何回ずつ引いたかがわかりません。そこで、いったん全部を1種類のカードだと仮定して和を計算し、実際の和とのちがい(差)を作ります。この差が、別のカードに置きかえたことで生まれたものだと考えると、置きかえた回数が計算で求められます。これはつるかめ算の基本の考え方で、条件を1つに固定してから差を埋める、という整理のしかたです。
3種類のカードが混ざるときは、どう絞りこめばよいですか?
まず全部を一番大きいカードと仮定して差を作り、その差を、残り2種類への置きかえの組み合わせで表します。1回の置きかえで差がいくつ縮むかは、カードの数字の差で決まります。8を5に置きかえれば差は3、8を3に置きかえれば差は5、というように、置きかえ1回あたりの効き目を整理してから、差をぴったり作れる組み合わせをさがします。条件(すべて1回以上出るなど)に合うものだけを残します。
和を1回多く足してしまった問題は、どう考えればよいですか?
実際に引いた回数より1回分だけ数字が多く足されているので、計算上は「1回多く引いた」のと同じ和になります。そこで、引いた回数を1回増やした状態で和を作り、そこから多く足した1枚を戻す、と考えます。多く足した数字が3・5・8のどれかで場合が分かれるので、それぞれについて成り立つ内訳を求め、条件に合う回数をすべて答えます。
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