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19算数中学受験

愛光中2013 大問1(6)〜(9)|円とひし形・平均・倍数・折り返しを解説

愛光中学校2013年度(平成25年度)算数の大問1(6)〜(9)を解説。円とひし形が重なる図形の長さと面積・平均とてんびん・倍数の条件から5桁の数を決める・長方形の折り返しと重なった部分の面積まで、等積移動や表を使って一つずつ丁寧に整理します。高松市の学習塾クローネ学園。

高松市の学習塾クローネ学園 — 愛光中2013 大問1後半(円とひし形・平均・倍数・折り返し)の解説

この問題について

愛光中学校 2013 年度(平成 25 年度)の大問 1 は、いろいろな分野の小問が並ぶ問題です。この記事では後半の (6)〜(9) をあつかいます。図形・平均・倍数・折り返しと、はば広い力が問われます。前半の (1)〜(5) は愛光中2013 大問1前半で解説しています。

この記事では次のことをあつかいます。

  • (6) 円とひし形が重なる図の、まわりの長さと斜線部の面積(平面図形の求積)
  • (7) 全体とグループの平均から人数を求める(平均算)
  • (8) 倍数の条件から 5 けたの数を決める(倍数判定法)
  • (9) 長方形の折り返しと、重なった部分の面積(直角三角形)

愛光中(2013)1(6)

右の図のように、直径 BD の長さが 6cm の円と 1 辺の長さが 6cm のひし形 ABCD が重なっています。外側の太線の長さは cm、斜線の部分の面積の和は cm² です。ただし、円周率は 3.14 とします。

直径BD=6cmの円と1辺6cmのひし形ABCDが重なった図。外側の太線とA側・C側・B側・D側の斜線部分
答え・解説を見る

まず、この図のしくみをつかみます。ひし形は 1 辺が 6cm、対角線 BD が 6cm です。BD とひし形の 1 辺が同じ長さなので、三角形 ABD と三角形 CBD は、どちらも 1 辺 6cm正三角形です。

円は直径 BD = 6cm、つまり半径 3cm で、中心は BD のまん中にあります。中心から各辺におろすと、円はひし形の 4 つの辺のまん中(中点)をちょうど通り、頂点 A・C は円の外に、B・D は円周上にあります。

中心とひし形の頂点・辺の中点をすべて結ぶと、ひし形は1 辺 3cm の正三角形 6 個にきれいに分かれます。ここまで見えると、角度が 60°・120° と気持ちよく出てきます。

① 外側の太線の長さ

太線は、A 側・C 側ではひし形の辺(正三角形の辺)を通り、B 側・D 側では円弧を通ります。

  • A 側と C 側の尖った部分は、1 辺 3cm の正三角形の辺が、上下で合わせて 4 本
  • B 側と D 側は、それぞれ中心角 120° の円弧が 2 つ分
辺の部分=3×4=12 (cm)\begin{aligned} \text{辺の部分} &= 3 \times 4 \\ &= 12 \ \text{(cm)} \end{aligned}

円弧は、半径 3cm の円の周 2×3×3.14=18.842 \times 3 \times 3.14 = 18.84 cm のうち、120°120° が 2 つ、つまり 120×2360=23\dfrac{120 \times 2}{360} = \dfrac{2}{3} ぶんです。

円弧の部分=18.84×23=12.56 (cm)\begin{aligned} \text{円弧の部分} &= 18.84 \times \frac{2}{3} \\ &= 12.56 \ \text{(cm)} \end{aligned}

合わせて

12+12.56=24.56 (cm)12 + 12.56 = 24.56 \ \text{(cm)}

② 斜線部分の面積の和

斜線は、A 側・C 側の「ひし形の中で円の外」の部分と、B 側・D 側の「円の中でひし形の外」の部分に分かれています。ばらばらのまま計算するのは大変です。そこで等積移動を使います。

斜線部を等積移動する解説図。A・C側の三角形にできる弓形を、B・D側の円がはみ出た弓形へ移すと、全体が120°のおうぎ形1つ分になる

A 側・C 側の斜線には、円弧でへこんだ弓形の切れ込み(図の水色)があります。この弓形は、B 側・D 側で円がひし形からはみ出た弓形と、形も大きさもぴったり同じです。切れ込みを、はみ出た方へ移してうめると、斜線全体はすき間なく 1 つの形に集まります。

集めてできる形は、中心角 120° のおうぎ形 1 つです。半径は 3cm なので

(3×3×3.14)×120360=28.26×13=9.42 (cm2)\begin{aligned} \left( 3 \times 3 \times 3.14 \right) \times \frac{120}{360} &= 28.26 \times \frac{1}{3} \\ &= 9.42 \ \text{(cm}^2\text{)} \end{aligned}

(答)① 24.56 cm ② 9.42 cm²

KRONE ポイント

形がばらばらの面積は、等積移動でまとまった形に直すのが最大の武器です。この問題の急所は、ひし形が 1 辺 3cm の正三角形 6 個に分かれると見抜くこと。そこから 60°・120° の角度が出て、「へこんだ弓形」と「はみ出た弓形」が同じ大きさだと分かり、120° のおうぎ形へまとめられます。まず図の中にかくれた正三角形をさがしましょう。


愛光中(2013)1(7)

54 人のクラスで算数のテストをしたところ、全体の得点の平均は 76 点でした。このテストで、80 点以上の人の平均は 84 点、70 点以上 80 点未満の人の平均は 78 点、70 点未満の人の平均は 57 点でした。80 点以上の人と 70 点未満の人の人数の比は 2:1 でした。このとき、70 点未満の人は 人で、70 点以上 80 点未満の人は 人です。

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平均の問題は、てんびんで考えると見通しがよくなります。全体の平均 76 点を支点にして、それぞれのグループが「平均から何点はなれているか」と「人数」を、てんびんのつり合いで結びつけます。

3 つのグループを、平均 76 点からのはなれ方で整理します。

  • 70 点未満(平均 57 点)… 平均より 19 点低い7657=1976 - 57 = 19
  • 70 点以上 80 点未満(平均 78 点)… 平均より 2 点高い7876=278 - 76 = 2
  • 80 点以上(平均 84 点)… 平均より 8 点高い8476=884 - 76 = 8
平均76点を支点にしたてんびん図。57点は左に19点、78点は右に2点、84点は右に8点はなれ、70点未満①・80点以上②・その比から70点以上80点未満は①の1.5倍と分かる

てんびんは、支点の左右で「はなれた点数 × 人数」(モーメント)がつり合います。70 点未満の人数を ① とすると、80 点以上はその 2 倍の ②(= ① × 2)です。70 点以上 80 点未満の人数を「中」と呼んで、つり合いを考えます。

平均よりにあるのは 70 点未満だけで、そのモーメントは「19 点 × ①」。 平均よりにあるのは 2 つで、「2 点 ×(中の人数)」と「8 点 × ②」。これがつり合うので、

19 × ① = 2 ×(中)+ 8 × ②

ここに ② = ① × 2 を入れると、右がわの「8 × ②」は「16 × ①」になります。両がわから「16 × ①」を取ると

3 × ① = 2 ×(中)

つまり中の人数は ① の 1.5 倍(図の 1.5)です。これで 3 グループの人数が、すべて ① で表せます。

① + ② +(中)= ① + 2 × ① + 1.5 × ①

まとめると 4.5 × ①。これが 54 人なので、

4.5 × ① = 54

両がわを 4.5 でわると、① の人数が出ます。

① = 54 ÷ 4.5
54 ÷ 4.5 = 12

70 点未満は 12 人。70 点以上 80 点未満は「① の 1.5 倍」なので

12 × 1.5 = 18(人)

(80 点以上は 12 × 2 = 24 人です。)

(答)① 12 人 ② 18 人

KRONE ポイント

平均の問題は、平均を支点にしたてんびんで「はなれた点数 × 人数」がつり合う、と考えるのが強力です。この問題では、つり合いの式から「70 点以上 80 点未満は 70 点未満の 1.5 倍」が出て、3 グループの人数が全部 1 つの数(①)で表せました。合計人数でわり算すれば、一気に答えが決まります。


愛光中(2013)1(8)

1、2、3、4、5 を 1 回ずつ用いて 5 けたの数 ABCDE を作りました。3 けたの数 ABC は 4 の倍数、BCD は 5 の倍数、CDE は 3 の倍数です。このとき、D で、5 けたの数 ABCDE です。

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いちばん条件のきびしい倍数から決めるのが鉄則です。

手順 1:D を決める(5 の倍数) BCD が 5 の倍数なので、一の位の D は 0 か 5 です。使える数字は 1〜5 なので、D = 5 に決まります。

=5① = 5

手順 2:C を決める(4 の倍数の性質) ABC が 4 の倍数です。4 の倍数は下 2 けた(BC)が 4 の倍数であればよく、さらに「4 の倍数 = 一の位 C が偶数」でもあります。残っている数字 1、2、3、4 のうち、C は偶数なので C は 2 か 4

手順 3:CDE が 3 の倍数 3 の倍数は各位の和が 3 の倍数です。D = 5 なので、C + 5 + E が 3 の倍数になる必要があります。C が 2 か 4 で場合分けします。

  • C = 2 のとき:2+5+E=7+E2 + 5 + E = 7 + E が 3 の倍数になる必要があります。残る数字 1、3、4 で試すと、7+1=87+1=87+3=107+3=107+4=117+4=11 で、どれも 3 の倍数になりません。不適です。
  • C = 4 のとき:4+5+E=9+E4 + 5 + E = 9 + E が 3 の倍数 → E は 3 の倍数。残る 1、2、3 のうち E = 3

C = 4、D = 5、E = 3 に決まりました。残る数字は 1 と 2 で、これが A と B です。

手順 4:ABC が 4 の倍数 下 2 けた BC = B4 が 4 の倍数になる B を選びます。残りは 1 と 2。

  • B = 1 → 14 は 4 の倍数でない
  • B = 2 → 24 は 4 の倍数 ○

だから B = 2、A = 1。5 けたの数は

=12453② = 12453

(答)① 5 ② 12453

KRONE ポイント

倍数の条件は、候補がいちばん少ないものから決めると場合分けが激減します。5 の倍数(一の位が 0 か 5)→ 3 の倍数(各位の和)→ 4 の倍数(下 2 けた)と、判定法を思い出しながら 1 か所ずつ確定させていきましょう。倍数判定のルールを覚えているかどうかで、解く速さが大きく変わります。


愛光中(2013)1(9)

右の図のように、長方形 ABCD を辺 AB 上の点 E と辺 DC 上の点 F を結んだ線で折り曲げました。

長方形ABCDを辺AB上の点Eと辺DC上の点Fを結ぶ線で折り曲げた図。折った後の頂点BはGH上に、CはF付近に移り、角アと角イが示されている
  • [1] 角 ㋐ の大きさが 52° のとき、角 ㋑ の大きさは 度です。
  • [2] AE = 4cm、EG = 5cm、AG = 3cm、BG = 3cm、AD = 16cm のとき、重なった部分の面積は cm² です。

1(9)[1]

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折り返しの角度を求める解説図。三角形AEGで角A=90°、角AGE=52°から角AEG=38°を求め、折り返しの錯角と等角で角イ=71°を導く

長方形の中での 角度求めは錯角の利用 を考えましょう。 理由は向かい合う辺が平行だからです。

折り返しているので、上図のようになって

=180°38°2=142°2=71°\begin{aligned} \text{㋑} &= \frac{180° - 38°}{2} \\ &= \frac{142°}{2} \\ &= 71° \end{aligned}

(答)① 71 度

KRONE ポイント

折り返しの角度問題は、「折り目をはさんで角が等しい」ことと「平行線の錯角」 の 2 つでつなぐのが定石です。まず三角形 AEG で AEG=38°\angle\text{AEG} = 38° をおさえ、そこから折り返しで等しくなる角と錯角をたどると、はなれた角 ㋑ へと橋がかかります。折り返しで移った点・辺・角を、図にどんどん書き込むのがコツです。

1(9)[2]

AE = 4cm、EG = 5cm、AG = 3cm、BG = 3cm、AD = 16cm のとき、重なった部分の面積は cm² です。

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前問は、単に角度求めの問題ではなく、角度に注目すれば良いことがあるよ というメッセージです。 そこで、同じ角度に同じ印をつけていくと、3辺の長さの比が 3:4:5 の直角三角形の相似 が次々と見つかります。 G のまわりの三角形は BG = 3、BH = 4、GH = 5 で、AEG と同じ 3:4:5。これで上の辺は AG + GH = 3 + 5 = 8 まで決まり、AD = 16 から残りの HD = 8 もわかります。

重なった部分の面積を求める解説図。3:4:5の相似な直角三角形を順にたどり、AG=3・GH=5・HD=8、HC=10・DC=6などの各辺を求めて重なった部分の面積を出す

H のまわり、C・F のまわりへと、直角と 1 つの角を手がかりに相似な三角形を次々に見つけ、3:4:5 の比を使って各辺(HC = 10、DC = 6、103\dfrac{10}{3}83\dfrac{8}{3} など)を 1 本ずつ求めていきます。こうして重なった部分の各辺がそろうと、面積が計算できます。

重なった部分の面積=(83+8)×16÷2(3×4÷2+83×2÷2)=2303 (cm2)\begin{aligned} \text{重なった部分の面積} &= \left( \dfrac{8}{3} + 8 \right) \times 16 \div 2 - \left( 3 \times 4 \div 2 + \dfrac{8}{3} \times 2 \div 2 \right) \\ &= \frac{230}{3} \ \text{(cm}^2\text{)} \end{aligned}

(答)② 2303 cm²

KRONE ポイント

折り返しの面積問題は、3:4:5 の直角三角形の相似を、芋づる式に見つけていくのが王道です。1 つ相似が見つかれば、その比から次の辺がわかり、また次の相似が見えてきます。この連鎖で、ほしい長さにたどり着きます。折り返しで**動かない長さ(AD = 16)**を出発点や検算に使うのがポイントです。


この問題から学ぶこと

大問 1 の後半は、図形・平均・倍数・折り返しと、分野はバラバラですが、共通するのは「扱いやすい形・順番に直してから動く」ことです。(6) は等積移動で 120° のおうぎ形にまとめ、(7) は合計点を軸に 1 本の式にし、(8) は条件のきびしい倍数から決め、(9) は折り返しで等しくなる長さと角を手がかりにしました。

どれも、いきなり答えを求めにいくのではなく、図や条件を整理して見通しをよくする一手から始まっています。特に (6) の等積移動と (9) の折り返しは、「動かして重ねる」「折って重ねる」という、図形をつかむ力そのものが問われます。手が止まったときは、図の中にかくれた正三角形や、折り返しで等しくなる部分をさがしてみましょう。


クローネ学園での指導

クローネ学園では、こうした図形問題を「公式に数を当てはめる」だけで終わらせず、なぜその移動・その分け方をするのかを、図をかきながら自分で説明できるところまで指導します。等積移動なら「どの部分とどの部分が同じ大きさか」、折り返しなら「何が動いて何が動かないか」を言葉にできると、初めて見る図でも方針が立てられるようになります。

図形を得点源にする指導のポイント: 図形は、手を動かして図に書き込むほど見えてきます。授業では、等しい長さ・等しい角・平行の印を図に写す習慣を徹底し、「かくれた正三角形」「折り返しで移った点」を見つける目を育てます。1 つの補助線や 1 回の等積移動で、複雑な図がすっきり解けた経験を積み重ねることが、図形への苦手意識をなくす近道です。


まとめ

  • (6) 円とひし形の図は、ひし形を 1 辺 3cm の正三角形 6 個に分け、等積移動で 120° のおうぎ形にまとめる
  • (7) 平均の問題は「合計点 = 平均 × 人数」を軸に、人数の比を使って 1 本の式にする
  • (8) 倍数の条件は、候補の少ない 5 の倍数から決め、3 の倍数・4 の倍数と判定法をつなぐ
  • (9) 折り返しは「折り目をはさんで等しい角・長さ」と、3:4:5 の直角三角形の相似を使う

前半の (1)〜(5) は愛光中2013 大問1前半で解説しています。同じ愛光中の2012年 大問1前半2010年 大問1前半の解説もあわせてご覧ください。


クローネ学園では、中学受験を目指す小学生の算数・国語の指導を行っています。 高松市で中学受験対策の学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。

本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)

Index

大問ごとの解説

FAQ

よくある質問

円とひし形が重なった図の斜線部の面積は、どう求めればよいですか?

ばらばらの形のまま計算しようとせず、等積移動で1つのまとまった形に直すのがコツです。この問題では、頂点側にはみ出た部分と、円がひし形からはみ出た部分がちょうど移し合える関係になっていて、全部を集めると120°のおうぎ形1つ分になります。ひし形が正三角形6個に分かれることに気づくと、角度が60°・120°ときれいに出て、移動先が見えてきます。

平均の問題で、全体の平均と各グループの平均から人数を求めるにはどうしますか?

全体の平均を基準にして、各グループが平均から何点ずつ多いか・少ないかで考えます。平均より高いグループの「多いぶんの合計」と、平均より低いグループの「少ないぶんの合計」はつり合うので、てんびんのように差と人数の関係を立てられます。この問題では80点以上と70点未満の人数の比が2:1と与えられているので、そこから残りの人数も芋づる式に決まります。

倍数の条件から数字を決める問題は、どこから手をつければよいですか?

いちばん条件のきびしい倍数から先に決めます。5の倍数は一の位が0か5に限られ、ここでは1〜5を使うので5に確定します。このように候補が少ない条件から埋めていくと、場合分けが一気に減ります。次に4の倍数(下2けたで判定)、3の倍数(各位の和で判定)と、判定法が使いやすい順につないでいくのがコツです。

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