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11算数中学受験

大手前高松中2015(前期)大問6|水そうとしきり板の水量グラフを解説

大手前高松中2015年度(前期)の算数大問6を解説。しきり板を入れた水そうに水を注いだときの『時間と水面の高さ』のグラフから、しきり板の高さ・区画の長さ・グラフの空欄の値を順を追って求めます。グラフが水平になる・折れ曲がる理由から丁寧に解説。高松市の学習塾クローネ学園が中学受験の算数を支えます。

この記事でわかること

水そうにしきり板を入れて水を注ぐ「水問題」は、まじめに体積を求めようとすると数字がどんどん大きくなり、計算が大変になります。この問題でも、正面から見た図で整理して比を使えば、大きな数を一度も計算せずに答えが出ます。この記事では、その解き方を順を追って解説します。

  • 水問題は体積で押すと数字が大きくなって大変だと知る
  • 正面から見た図に水のたまり方を描いて整理する
  • 同じ奥行きの部分どうしをでくらべて、長さや時間を求める

水問題は体積で押さず、正面図と比で解く

水問題でいきなり体積を求めにいくと、8000 cm38000~\text{cm}^332000 cm332000~\text{cm}^3 と数字が大きくなって計算が大変になります。そこで、次の2つの見方に切りかえます。

正面から見た図で整理する。水そうを正面から見ると、奥行きが消えてたての長方形になります。一定の割合で水を注いでいるので、注いだ水の量は時間に比例します。奥行きはどの部屋も同じなので、

(正面から見た水の面積)    (時間)(\text{正面から見た水の面積}) \;\propto\; (\text{時間})

と考えられます。正面図の面積が、そのまま時間に置きかわるわけです。

奥行きが同じ部分どうしを比でくらべる。奥行きが共通なら、体積の比は正面図の面積の比と同じです。さらに、

  • 横の長さが同じ2つの部分 → 高さの比=時間の比
  • 高さが同じ2つの部分   → 横の長さの比=時間の比

このどちらかに持ちこめば、大きな数を計算せずに比だけで答えが出ます。グラフを正面図に翻訳し、同じ奥行きどうしを比でくらべる——これが水問題の軸です。


問題(大手前高松中 2015年度(前期)大問 6

図1は中に2枚のしきり板を入れた水そうです。この水そうの①の部分に毎分8Lの割合で水を注いだとき、時間と水面のもっとも高い部分の高さとの関係は図2のグラフのようになりました。水そうとしきり板の厚さは考えないものとします。

高松市の学習塾クローネ学園 水そうとしきり板の問題 2枚のしきり板で3つの部屋に分かれた水そうの図1と時間と水面の高さの関係を表す図2のグラフ
  • (1)2枚のしきり板の高さはそれぞれ何cmと何cmですか。
  • (2)図1のアの長さを求めなさい。
  • (3)図2のイとウにあてはまる数を入れなさい。

難易度: ★★☆☆☆  分野: 水量変化のグラフ・体積 目安時間: 6分


解法の3つのポイント

この問題は、次の3つを意識すると大きな数を計算せずに解けます。

  1. 体積で押さない800080003200032000 を計算しはじめると数字が大きくなって大変。なるべく体積を求めにいかない
  2. 正面から見た図で整理する。グラフの上昇・水平を、正面図の「どこに水がたまったか」に描き直す
  3. 比を上手に使う。奥行きは全部同じなので、横が同じなら高さの比、高さが同じなら横の比が、そのまま時間の比になる

グラフが水平になるのは、低いしきり板を越えて水が隣の部屋へ流れこんでいる間です。折れ曲がるのは、部屋がつながって正面図の横はばが変わった瞬間。この対応を正面図に描きこめば、あとは比で崩せます。


6(1) しきり板の高さ

2枚のしきり板の高さはそれぞれ何cmと何cmですか。

グラフが水平になった高さが、そのとき越えた板の高さです。まずは自分で考えてみましょう。できたら下の「答え・解説を見る」を開いてください。

答え・解説を見る

低いほうの板は、グラフの水平の高さをそのまま読む

①の部屋に水を注ぐと、水面はまず高さ 16cm まで上がってから水平になります(グラフの最初の水平部分)。これは①の水が低いしきり板を越えて、隣の部屋へ流れ出した高さです。計算はいりません。グラフの水平の高さがそのまま板の高さで、低いほうの板は 16cm です。

高いほうの板は、正面図を上下に分けて比でくらべる

高松市の学習塾クローネ学園 水そうとしきり板の問題 正面から見た図を高さ24cmで上下に分け黄色と青色の面積比でしきり板の高さを求める図

正面図に水のたまり方を描くと、上の図のように整理できます。黄色(高いほうの板の高さまで)は9分青色(そこから満水40cmまで)は6分かかります。

黄色と青色は、どちらも水そう全体の横はばを使う部分で、横の長さと奥行きが同じです。横が同じなら、高さの比がそのまま時間の比になります。

(黄色の高さ):(青色の高さ)=9:6=3:2(\text{黄色の高さ}) : (\text{青色の高さ}) = 9 : 6 = 3 : 2

満水の高さは40cmなので、これを 3:23 : 2 に分けた下側が高いほうの板です。

40×35=24(㎝)40 \times \frac{3}{5} = 24 \text{(㎝)}

(答) 16 cm24 cm


6(2) アの長さ

図1のアの長さを求めなさい。

正面図に、グラフの時間を面積として書きこんで比でくらべます。

答え・解説を見る
高松市の学習塾クローネ学園 水そうとしきり板の問題 正面図に左ブロックと満水部分を描き面積の比からアの長さを比で求める図

正面図で考えます。注いだ量は時間に比例し、奥行きはどこも同じなので、正面図の面積が時間に置きかわります

うまく使える区間を2つえらびます。

  • 左ブロック(①と真ん中をあわせた部分)が、高さ16cmまでたまるまで… 0分4分4分
  • 満水までの最後9分15分)に、水そう全体(横60cm)にたまる部分… 6分

最後の6分でたまる部分は、高いほうの板24cmから満水40cmまで、つまり高さ 4024=1640 - 24 = 16 cm ぶんです。左ブロックも高さ16cm2つは高さがどちらも16cmで同じです。

高さが同じなら、横の長さの比=時間の比。左ブロックの横はばを□とすると、

:60=4:6=2:3\square : 60 = 4 : 6 = 2 : 3

ですから =60×23=40\square = 60 \times \dfrac{2}{3} = 40 cm。これが左ブロック(①+真ん中)の横はばです。水そう全体の横はばは60cmなので、残りがアです。

=6040=20(cm)\text{ア} = 60 - 40 = 20 \text{(cm)}

(答) ア = 20 cm


6(3) イとウにあてはまる数

図2のイとウにあてはまる数を入れなさい。

ここでも正面図のなかで、同じ高さ・同じ横はばの部分どうしを比でくらべます。(2)で、左ブロック(①+真ん中)は横40cm4分とわかっています。①の部屋の横はばは30cm、真ん中の部屋は 4030=1040 - 30 = 10 cmです。

答え・解説を見る
高松市の学習塾クローネ学園 水そうとしきり板の問題 正面図で①の部屋と上段を比べイとウの時間を比で求める図

イ(①の部屋が16cmまでたまる時刻)

イは、①の部屋だけに水がたまって高さ16cmになる時刻です。①の部屋(横30cm)と左ブロック(横40cm)は、どちらも高さ16cmで同じ。高さが同じなら、横の長さの比=時間の比です。

():4=30:40=3:4(\text{イ}) : 4 = 30 : 40 = 3 : 4

左ブロックが4分なので、=4×34=3\text{イ} = 4 \times \dfrac{3}{4} = 3 分。

ウ(左ブロックが24cmまで上がりきる時刻)

4分のあと、①と真ん中がつながった左ブロック(横40cm)の水面が、16cmから高いほうの板24cmまで上がります。その高さは 2416=824 - 16 = 8 cm ぶんです。

これを、0分4分で同じ左ブロックが高さ16cmたまった部分とくらべます。横はばが同じ40cmなので、高さの比=時間の比です。

(4):4=8:16=1:2(\text{ウ}-4) : 4 = 8 : 16 = 1 : 2

ですから 4=4×12=2\text{ウ} - 4 = 4 \times \dfrac{1}{2} = 2 分。よって =4+2=6\text{ウ} = 4 + 2 = 6 分。

(答) イ = 3 / ウ = 6


この問題から学ぶこと

この問題の核心は、体積で押さないことです。まじめに 800080003200032000 を計算しはじめると数字がふくらんで大変ですが、正面から見た図に水のたまり方を描き、同じ奥行きどうしを比でくらべれば、大きな数を一度も計算せずに答えが出ます。

カギになるのが、正面図のなかで「高さが同じ」「横が同じ」部分を見つけることです。高さが同じなら横の比、横が同じなら高さの比が、そのまま時間の比になります。今回も、左ブロックと満水部分が「同じ高さ16cm」だと気づけたことで、ア・イ・ウがすべて比だけで求まりました。水問題は、図で整理してうまい比を見つけるゲームだと考えると、見通しがよくなります。


クローネ学園での指導

クローネ学園では、水問題を「いきなり体積を計算する」のではなく、まず正面から見た図を描くところから指導します。グラフの上昇・水平を正面図のどこに描くかを自分で決められるようになると、大きな数を計算せずに済むことが体感できます。

そのうえで、「どこの高さが同じか」「どこの横が同じか」を探させ、うまい比を見つける練習をします。答えの数値より「なぜこの2つを比べられるのか」を説明できることを重視します。図で整理して比を見つける武器があれば、初めて見る問題でも自分で崩していけます。反復練習には、登録不要・無料で使えるクローネらぼもご活用ください。


まとめ

  • 水問題は体積で押すと数字が大きくなって大変。なるべく体積を求めにいかない
  • 正面から見た図に水のたまり方を描いて整理する。グラフの水平=板の高さ
  • 奥行きは全部同じ。高さが同じなら横の比、横が同じなら高さの比=時間の比
  • 「同じ高さ」「同じ横」の部分を見つけて、比で長さや時間を求めるのがコツ

クローネ学園では、中学受験を目指す小学生の算数・国語の指導を行っています。 高松市で中学受験対策の学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。

本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)

FAQ

よくある質問

水そうの問題で、グラフが水平(横ばい)になるのはなぜですか?

注いだ水が、低いしきり板を越えて隣の部屋に流れ込んでいるからです。隣の部屋を満たしている間は、見ている部屋の水面はそれ以上上がらず一定のままになります。ですから、グラフが水平になった高さは『しきり板の高さ』を表しています。水平な区間の長さ(時間)から、隣の部屋の容積もわかります。

グラフの折れ曲がる点は何を意味していますか?

正面から見た図で、水がたまる『横はば』が変わった瞬間です。しきり板を越えて2つの部屋がつながると、正面図の横はばが広がるので、同じ割合で注いでも水面の上がり方がゆるやかになります。逆に、新しい部屋に流れ込み始めると見ている部屋は止まります。折れ目ごとに『正面図のどこに水が入っているか』を考えるのがコツです。

水量と時間のグラフの問題は、どこから手をつければよいですか?

いきなり体積を求めると数字が大きくなって大変なので、まず水そうを正面から見た図に水のたまり方を描きます。一定の割合で注いでいるので、正面図の面積がそのまま時間に置きかわります。奥行きはどの部屋も同じなので、高さが同じ部分どうしなら横の長さの比、横が同じ部分どうしなら高さの比が、そのまま時間の比になります。この『同じ高さ・同じ横』の部分を見つけて比でくらべるのが近道です。

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