香川県公立高校入試2024 問題5|円と相似・合同の証明(円周角の定理)
香川県公立高校入試2024年度の数学問題5を解説。円周上の3点でできる鋭角三角形と垂線、円との交点を使った図形問題で、相似(△ACH∽△GBH)と合同(△ABF≡△ABG)を証明します。円周角の定理と二等辺三角形の性質をどう組み合わせるか、図と手順つきで丁寧に解説します。高松市の学習塾クローネ学園が高校受験の数学を支えます。
この問題について
香川県公立高校入試 2024 年度の問題 5 は,円と三角形を組み合わせた図形の証明問題です。円周上の3点でできる鋭角三角形に,垂線や円との交点を次々に書き加えていき,(1)で相似,(2)で合同を証明します。
証明問題は「何を使えばよいか」が見えないと手が止まります。この問題の急所は,円周角の定理で離れた角を結びつけることと,二等辺三角形の性質を使うことの2つです。この記事では次のことを解説します。
- 円の図形証明で最初に注目すべきポイント
- (1) 相似の証明(対頂角+円周角の定理)
- (2) 合同の証明(直角三角形の合同+円周角+二等辺三角形)
- 証明の方針をどう立てるかの考え方
香川県公立高校入試(2024)問題 5
右の図のような円があり,異なる3点 A,B,C は円周上の点で,△ABC は鋭角三角形である。 点 A から辺 BC に垂線をひき,その交点を D とする。 直線 AD と円との交点のうち,点 A と異なる点を E とし,点 C と点 E を結ぶ。 線分 AD 上に CE = CF となる点 F をとる。 直線 CF と円との交点のうち,点 C と異なる点を G とし,辺 AB と線分 CG との交点を H とする。 また,点 B と点 G を結ぶ。このとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。
- (1)△ACH ∽ △GBH であることを証明せよ。
- (2)点 A と点 G,点 B と点 F をそれぞれ結ぶとき,△ABF ≡ △ABG であることを証明せよ。
難易度: ★★★★☆ 分野: 円と相似・合同の証明(円周角の定理) 目安時間: 15分
円の図形証明の解き方(解法のポイント)
円がからむ証明では,使う道具がだいたい決まっています。次の順に探すと方針が立ちます。
- 円周角の定理:同じ弧に対する円周角は等しい。離れた場所の角どうしを結びつける最強の道具
- 対頂角・共通な辺や角:図から無条件で言える等しい関係をまず書き出す
- 二等辺三角形の性質:等しい辺があれば,底角が等しい・頂角の二等分線が底辺を二等分する
- 集めた等しい関係を,相似条件・合同条件にあてはめる
「いきなり結論の三角形を比べない」のがコツです。まず使える材料を全部集めてから組み立てます。一問ずつ見ていきましょう。
問題 5 (1)
△ACH ∽ △GBH であることを証明せよ。
答え・解説を見る
対頂角は等しいので で, において円周角の定理より となる。
ゆえに, と において2組の角がそれぞれ等しいので が示された。
KRONE ポイント
相似は「2組の角が等しい」を狙うのが基本です。1つは対頂角(点 H で交わる)ですぐ手に入り,もう1つを の円周角で見つけます。
問題 5 (2)
点 A と点 G,点 B と点 F をそれぞれ結ぶとき,△ABF ≡ △ABG であることを証明せよ。
答え・解説を見る
まず,補助となる2つの三角形の合同を示します。
と において,CD は共通。仮定より ,また だから 。直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので
よって …1, …2
つぎに と において,辺 AB は共通 …3
[角 ∠BAF と ∠BAG が等しいこと]
に対する円周角は等しいから (∠BAE と ∠BCE)。 に対する円周角は等しいから (∠BAG と ∠BCG)。 1 より
…4
[辺 AF と AG が等しいこと]
対頂角は等しいから 。 に対する円周角は等しいから 。 2 より 。2つの角が等しいから は二等辺三角形で
…5
[合同の結論]
345 より,2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので
KRONE ポイント
直接 と の辺や角を比べようとしても手が出ません。 と垂線 AD から を作り,そこで得た角を円周角の定理で点 A 側に移すのがこの問題の急所です。
この問題から学ぶこと
この問題が教えてくれるのは,証明はひらめきではなく,使える道具を順に試す作業だということです。円が出てきたら円周角の定理,等しい辺があれば二等辺三角形の性質,交わる直線があれば対頂角——というように,図の中の手がかりに対応する道具は決まっています。
特に大切なのは,いきなり結論の三角形を比べようとしないことです。(2)では △ABF と △ABG を直接見ても何も分かりませんが,先に △CDE ≡ △CDF という別の合同を作り,そこで得た等しい角を円周角の定理で点 A 側へ運ぶことで道が開けました。「結論から遠回りに見える補助の図形を先に作る」という発想は,難しい証明ほど効いてきます。
クローネ学園での指導
クローネ学園では,証明問題を「答えを覚える」のではなく,方針の立て方そのものを指導します。図を見たら,まず使える等しい関係(円周角・対頂角・共通・二等辺)をすべて書き出し,そこから相似条件・合同条件に向けて組み立てる——この手順を,自分の言葉で説明できるところまで練習します。
証明に強くなる指導のポイント: 「なぜその補助の三角形を作ったのか」を説明してもらいます。結論から逆算して必要な等式を見つける逆向きの思考ができると,初めて見る証明問題でも方針を立てられるようになります。
まとめ
- 円の証明は,まず円周角の定理で離れた角を結びつけることを疑う
- 対頂角・共通・二等辺三角形など,図から無条件で言える関係を全部書き出す
- (1) は対頂角+円周角の2組の角で相似を示す
- (2) は直角三角形の合同(斜辺と他の1辺)を作り,円周角と二等辺の性質で点 A 側の角と辺を等しくして合同を示す
- 結論の三角形を直接比べず,補助の図形を先に作るのが難しい証明のコツ
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本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
Index
大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
円の図形証明で、最初に何に注目すればいいですか?
まず円周角の定理を疑います。同じ弧に対する円周角は等しいので、離れた場所にある角どうしを結びつける強力な道具になります。次に対頂角や共通な辺・角といった、図から無条件に言える等しい関係を探します。証明は「使える等しい関係を集めて、相似条件や合同条件にあてはめる」作業なので、まず手持ちの材料をすべて書き出すのがコツです。
相似と合同のどちらを使うかはどう見分けますか?
問われている結論で決まります。大きさまで含めて完全に同じ形だと示すなら合同、形が同じ(拡大・縮小の関係)だと示すなら相似です。証明の途中では、まず相似で角や辺の比をそろえ、そこに二等辺三角形などの「長さが等しい」条件を加えて合同に持ち込む、という流れもよくあります。この問題でも(1)で相似、(2)で合同を扱います。
二等辺三角形の頂角から底辺におろした垂線には、どんな性質がありますか?
二等辺三角形の頂角から底辺におろした垂線は、底辺を2等分し、同時に頂角も2等分します。つまり1本の線が「垂線・中線・角の二等分線」を兼ねます。この問題でも、CE=CFの二等辺三角形CFEで垂線CDが頂角を二等分することを使って、離れた角どうしを等しいと結びつけています。証明でよく使う重要な性質です。
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