香川県公立高校入試2024 大問4|碁石の規則性・立方体を動く点と三角錐の体積
香川県公立高校入試2024年度の数学大問4を解説。上段・下段でくりかえし並ぶ碁石の規則性、文字を使った個数の比、そして1辺4cmの立方体の辺上を動く2点P・Qがつくる三角錐の体積、△APQの面積を文字式で表す問題、体積が等しくなるxを2次方程式で求める問題まで、図と手順つきで丁寧に解説します。高松市の学習塾クローネ学園が高校受験の数学を支えます。
この問題について
香川県公立高校入試 2024 年度の大問 4 は,「規則性」と「空間図形(点の移動)」を組み合わせた応用問題です。前半は碁石をくりかえし並べる規則性,後半は立方体の辺上を動く 2 つの点がつくる図形の体積と面積を扱います。
どちらも,目に見える状態を 文字や式に置きかえて考える 力が試されます。とくに後半の点の移動は,難関校でもよく出るテーマで,差がつきやすい問題です。この記事では次のことを解説します。
- 上段・下段でちがう周期の碁石を,最小公倍数で 1 セットにまとめて考える方法
- 碁石の白と黒の個数を文字で表し,比の式から を求める手順
- 立方体の辺上を動く点の位置を,時間から長さに直す考え方
- 三角錐の体積の求め方と,△APQ の面積を「全体から引く」で式に表すコツ
- 体積が等しくなる条件を 2 次方程式にして解く流れ
香川県公立高校入試(2024)大問 4
次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1)白の碁石と黒の碁石がたくさんある。これらを下の図のように,上段には,1 列目から,白の碁石,黒の碁石の順にくりかえし並ぶように,それぞれの列に 1 個ずつ置き,下段には,1 列目から,黒の碁石,黒の碁石,白の碁石の順にくりかえし並ぶように,それぞれの列に 1 個ずつ置く。
たとえば,上段も下段も 7 列目まで碁石を置いたとき,7 列目については,上段が白の碁石,下段が黒の碁石である。また,1 列目から 7 列目までに並んでいるすべての碁石のうち,白の碁石の個数は 6 個であり,黒の碁石の個数は 8 個である。
これについて,次のア,イの問いに答えよ。
- ア 次の文は,上段も下段も 2024 列目まで碁石を置いたとき,2024 列目の碁石について述べようとしたものである。文中の 2 つの〔 〕内にあてはまる言葉を,㋐,㋑から 1 つ,㋒,㋓から 1 つ,それぞれ選んで,その記号を書け。
- 2024 列目については,上段が〔㋐白の碁石 ㋑黒の碁石〕,下段が〔㋒白の碁石 ㋓黒の碁石〕である。
- イ 上段も下段も 列目まで碁石を置いたとき, 列目については,上段も下段も白の碁石であった。また,1 列目から 列目までに並んでいるすべての碁石のうち,白の碁石の個数と黒の碁石の個数の比は 8:11 であった。このときの の値を求めよ。
(2)図 1 のような,1 辺の長さが 4cm の立方体がある。点 P は,点 A を出発して辺 AE,EF 上を通って毎秒 1cm の速さで点 F まで動く点であり,点 Q は,点 C を出発して辺 CB,BF 上を通って毎秒 1cm の速さで点 F まで動く点である。2 点 P,Q は同時に出発する。図 2 は,2 点 P,Q が同時に出発してから 5 秒後の状態を示したものである。
これについて,あとのア〜ウの問いに答えよ。
- ア 2 点 P,Q が同時に出発してから 4 秒後にできる三角すい APQD の体積は何 cm³ か。
- イ 2 点 P,Q が同時に出発してから 秒後にできる △APQ の面積は何 cm² か。 の場合について, を使った式で表せ。
- ウ とする。2 点 P,Q が同時に出発してから 秒後にできる三角すい APQD の体積が,2 点 P,Q が同時に出発してから 1 秒後にできる三角すい APQD の体積と等しくなるのは, の値がいくらのときか。 の値を求める過程も,式と計算を含めて書け。
難易度: ★★★☆☆ 分野: 規則性・空間図形(点の移動) 目安時間: 12分
規則性・点の移動の解き方(解法のポイント)
この大問は,前半(碁石)と後半(点の移動)でまったくちがう道具を使います。それぞれの場面で使う考え方を整理しておきましょう。
- 周期がちがうものは,周期の最小公倍数 で 1 セットを作る(上段は 2 列,下段は 3 列なので 6 列で 1 セット)
- 「何列目」「何個」を求めるときは,わり算の商とあまり でセット数と残りに分けて数える
- 点の移動は,経過時間を辺の長さに直す ことがすべての出発点(毎秒 1cm なら 秒後は cm)
- 立体の体積は,高さがとりやすい面を底面に選ぶ(直角三角形を底面にすると辺がそのまま高さになる)
- 斜めにできる面積は,全体から余分な三角形を引く と式にしやすい
特に後半は,図を見て「いま点がどこにいるか」を長さで言えるかどうかが勝負です。一問ずつ見ていきましょう。
大問 4 (1)ア
文中の 2 つの〔 〕内にあてはまる言葉を,㋐,㋑から 1 つ,㋒,㋓から 1 つ,それぞれ選んで,その記号を書け。
2024 列目については,上段が〔㋐白の碁石 ㋑黒の碁石〕,下段が〔㋒白の碁石 ㋓黒の碁石〕である。
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6 列で 1 セットと見れば、このセットの繰り返しになっています。
2024 列目は 2 列目と同じなので上段も下段も黒の碁石です。
(答)㋑ ㋓
KRONE ポイント
各数列の周期の最小公倍数で 1 セットを作ると速く解けます。
大問 4 (1)イ
列目が上段も下段も白の碁石で,白と黒の個数の比が 8:11 のときの を求めよ。
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上段も下段も白の碁石なので、 は(6の倍数 + 3)列目と表されることがわかります。
列目とします。これは、 セットと 3 列で終わっているということです。 1セットに白の碁石は5個、黒の碁石は7個なので、 列目までに並んでいる碁石は、
したがって、
いま としているので
(答)
大問 4 (2)ア
4 秒後にできる三角すい APQD の体積を求めよ。
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三角錐 APQD は下図のようになるから
(答)(㎝³)
大問 4 (2)イ
のとき, 秒後の △APQ の面積を の式で表せ。
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なので ㎝、 なので ㎝ です。 ですから、 と は合同です。
なので
したがって、
(答)(㎝²)
KRONE ポイント
斜めの三角形の面積は 全体から引く が定石です。
大問 4 (2)ウ
で, 秒後の三角すい APQD の体積が 1 秒後の体積と等しくなる を求めよ。
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1秒後の三角錐 APQD の体積は、 AQD を底面と見て
秒後の三角錐 APQD の体積は、 APQ を底面と見て
したがって、
より、 秒後である。
(答)(秒後)
この問題から学ぶこと
この大問が教えてくれるのは,目に見える状態を式に置きかえる という数学の基本姿勢です。碁石の問題では「白と黒の個数」を , という文字式にし,点の移動では「点の位置」を や という長さに直しました。どちらも,ぱっと見では数えきれないものを,文字を使って一気に扱えるようにしています。
もう一つ大切なのが,求めにくいものは引き算で考える という発想です。△APQ の面積を直接求めようとすると高さがわかりませんが,正方形全体からまわりの 3 つの直角三角形を引くと,きれいな式になりました。「直接むずかしいなら,全体から引けないか」と考えるくせをつけておくと,図形の応用問題で大きな武器になります。
クローネ学園での指導
クローネ学園では,こうした規則性・点の移動の問題を「公式を覚えて当てはめる」のではなく,自分で図に書きこみながら状態を言葉にする ところから指導します。点の移動なら「 秒後に P はどこ?」を毎回声に出して長さで答えてもらい,立体なら「どの面を底面にすると高さが見える?」を一緒に考えます。
応用問題に強くなる指導のポイント: 答えが合っているかだけでなく,「なぜその面を底面に選んだのか」「なぜ全体から引いたのか」という選んだ理由まで説明してもらいます。理由を言葉にできると,はじめて見る図形でも自分で方針を立てられるようになります。
まとめ
- 周期のちがうものは,最小公倍数で 1 セットを作ってわり算の商とあまりで数える
- 碁石の個数は文字で表し,比の式を立てて を求める
- 点の移動は,経過時間を辺の長さに直すことがすべての出発点
- 三角錐の体積は,高さがとりやすい直角三角形を底面に選ぶ
- 斜めにできる △APQ の面積は,正方形全体からまわりの三角形を引いて式にする
- 体積が等しくなる条件は 2 次方程式にして,範囲に合う解を選ぶ
クローネ学園では、高校受験を目指す中学生の数学・英語の指導を行っています。 高松市で中学生向けの学習塾をお探しの方は高松市の中学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。
本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
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大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
碁石の列の問題で「2024列目が何色か」を求めるコツは何ですか?
上段は白黒の2列、下段は黒黒白の3列でくりかえすので、2と3の最小公倍数である6列を1セットと考えるのがコツです。2024÷6=337余り2なので、2024列目は1セットの2列目と同じ並びになります。2列目は上段が黒、下段も黒なので、2024列目も上段・下段ともに黒の碁石とわかります。周期の最小公倍数で1セットを作ると、何列目でもすばやく判断できます。
立方体の辺上を動く点の問題で、三角錐の体積はどう求めますか?
動く点が今どの辺のどこにいるかを、出発からの時間で長さに直すのが第一歩です。たとえば毎秒1cmなら4秒後はAから4cm動いた位置です。次に三角錐のどの面を底面に見ると高さがとりやすいかを考えます。この問題ではAQDなどの直角三角形を底面に選ぶと、立方体の辺がそのまま高さになり、3分の1×底面積×高さで計算できます。
△APQの面積を直接求めにくいときはどうすればよいですか?
斜めにできる三角形は、面積を直接計算しようとすると高さがわかりにくくなります。そういうときは、正方形などの全体の面積から、まわりにできる直角三角形をすべて引くのが定石です。この問題でも、1辺4cmの正方形から3つの直角三角形を引くことで、△APQの面積をxの式できれいに表せます。全体から引くという発想を持っておくと、複雑な図形でも手が止まりません。
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