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12数学高校受験

香川県公立高校入試2023 問題5|正方形と相似・合同の証明

香川県公立高校入試2023年度の数学問題5を解説。鋭角三角形の外側につくった正方形を題材に、(1)平行線の錯角と直角を使った相似の証明、(2)回転で重なる合同な三角形を2回使ってBJ=HKを導く証明まで、証明の組み立て方を1ステップずつ丁寧に解説します。高松市の学習塾クローネ学園が高校受験の数学を支えます。

この問題について

香川県公立高校入試 2023 年度の問題 5 は,鋭角三角形 ABC の辺 AC を 1 辺とする正方形 ACDE を外側につくった図を題材にした,図形の証明問題です。(1) は相似の証明,(2) は線分の長さが等しいことの証明で,どちらも記述式です。

図の中には点がたくさん登場しますが,使う道具は「平行線の錯角」「正方形の直角」「回転で重なる合同」といった,中学で学ぶ基本ばかりです。この記事では次のことを解説します。

  • 平行線の錯角と直角を組み合わせて,2 組の角から相似を示す((1))
  • 点 A を中心とした回転で重なる合同を見つけ,2 回使って線分の長さを示す((2))

香川県公立高校入試(2023)問題 5

右の図のような,鋭角三角形 ABC があり,辺 AC を 1 辺にもつ正方形 ACDE を \triangleABC の外側につくる。辺 AC と線分 BE との交点を F とする。点 C から線分 BE に垂線をひき,その交点を G とする。点 A を通り,辺 AB に垂直な直線をひき,直線 CG との交点を H とする。また,点 F を通り,線分 GC に平行な直線をひき,辺 CD との交点を I とする。

このとき,次の(1),(2)の問いに答えなさい。

鋭角三角形ABCの辺ACを1辺とする正方形ACDEを外側につくり、線分BEとACの交点F、CからBEへの垂線の足G、AB⊥AHとなる直線と直線CGの交点H、Fを通りGCに平行な直線と辺CDの交点Iをとった図
  • (1) \triangleCFG \backsim \triangleFIC であることを証明せよ。
  • (2) 直線 AH と線分 BE との交点を J,辺 AB と線分 CH との交点を K とする。このとき,BJ = HK であることを証明せよ。

難易度: ★★★★☆  分野: 正方形・相似の証明・合同の証明  目安時間: 12分


問題 5 (1)相似の証明

\triangleCFG \backsim \triangleFIC であることを証明せよ。

答え・解説を見る

証明したい相似は CFGFIC\triangle\text{CFG} \backsim \triangle\text{FIC} です。頂点の対応は C→F,F→I,G→C なので,この順で等しい角を 2 組さがします。使う角は FCG\angle\text{FCG}IFC\angle\text{IFC},そして CGF\angle\text{CGF}FCI\angle\text{FCI} の 2 組です。

まず 1 組目。点 F を通り線分 GC に平行な直線をひいて I をとったので,CG // IF です。平行な直線の錯角は等しいので

FCG=IFC\angle\text{FCG} = \angle\text{IFC} \quad \cdots ①

次に 2 組目。CGF\angle\text{CGF} は,C から線分 BE へひいた垂線の足が G なので 9090^{\circ} です。また四角形 ACDE は正方形だから ACD=90\angle\text{ACD} = 90^{\circ},すなわち FCI=90\angle\text{FCI} = 90^{\circ} です。よって

CGF=FCI\angle\text{CGF} = \angle\text{FCI} \quad \cdots ②

①,② より,2 組の角がそれぞれ等しいので

CFGFIC\triangle\text{CFG} \backsim \triangle\text{FIC}

(証明終わり)

KRONE ポイント

相似の証明は,証明したい式の頂点の順番が最大のヒントです。CFGFIC\triangle\text{CFG} \backsim \triangle\text{FIC} なら,C と F,F と I,G と C が対応するので,その組の角を等しいと示せばよいと分かります。あとは「平行なら錯角」「正方形の角なら 9090^{\circ}」と,図の印から等しい角を拾うだけです。どの角を示すか,先に狙いを定めてから図を見ましょう。


問題 5 (2)BJ = HK の証明

直線 AH と線分 BE との交点を J,辺 AB と線分 CH との交点を K とする。このとき,BJ = HK であることを証明せよ。

答え・解説を見る

まず,(2) で加わる 2 つの交点 J,K の位置を図で確認します。J は直線 AH と線分 BE との交点,K は辺 AB と線分 CH との交点です。

問題5の図に、直線AHと線分BEの交点J、辺ABと線分CHの交点Kを書き込んだ解説図。BJとHK、△ABJと△AHKの位置を示す

BJ と HK は,一見どこにもつながりのない 2 本の線分に見えます。長さが等しいことを示すには,この 2 本をそれぞれ辺にもつ三角形どうしの合同を見つけるのが定石です。BJ を含む ABJ\triangle\text{ABJ} と,HK を含む AHK\triangle\text{AHK} に注目します。

そのためにまず,土台となる別の合同 ABEAHC\triangle\text{ABE} \equiv \triangle\text{AHC} を示し,そこから AB = AH を用意します。

【第 1 段】ABEAHC\triangle\text{ABE} \equiv \triangle\text{AHC} を示す

ABE\triangle\text{ABE}AHC\triangle\text{AHC} において,四角形 ACDE は正方形だから

AE=AC①,EAC=90\text{AE} = \text{AC} \quad \cdots ①,\qquad \angle\text{EAC} = 90^{\circ}

仮定より HAB=90\angle\text{HAB} = 90^{\circ} だから EAC=HAB\angle\text{EAC} = \angle\text{HAB}。両方に BAC\angle\text{BAC} を足すと

BAE=BAC+EAC,HAC=HAB+BAC\angle\text{BAE} = \angle\text{BAC} + \angle\text{EAC},\quad \angle\text{HAC} = \angle\text{HAB} + \angle\text{BAC}

なので

BAE=HAC\angle\text{BAE} = \angle\text{HAC} \quad \cdots ③

残る 1 組の角は,直角三角形どうしを経由して等しさを示します。EAF=EAC=90\angle\text{EAF} = \angle\text{EAC} = 90^{\circ},仮定より CGF=90\angle\text{CGF} = 90^{\circ} なので

EAF は直角三角形だからAEF=90AFECGF は直角三角形だからFCG=90CFG\begin{aligned} \triangle\text{EAF}\ \text{は直角三角形だから} \quad & \angle\text{AEF} = 90^{\circ} - \angle\text{AFE} \\ \triangle\text{CGF}\ \text{は直角三角形だから} \quad & \angle\text{FCG} = 90^{\circ} - \angle\text{CFG} \end{aligned}

対頂角より AFE=CFG\angle\text{AFE} = \angle\text{CFG} だから,AEF=FCG\angle\text{AEF} = \angle\text{FCG}。 ここで AEF=AEB\angle\text{AEF} = \angle\text{AEB}FCG=ACH\angle\text{FCG} = \angle\text{ACH} なので

AEB=ACH\angle\text{AEB} = \angle\text{ACH} \quad \cdots ④

①,③,④ より,1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので

ABEAHC\triangle\text{ABE} \equiv \triangle\text{AHC}

よって

AB=AH⑤,ABJ=AHK\text{AB} = \text{AH} \quad \cdots ⑤,\qquad \angle\text{ABJ} = \angle\text{AHK} \quad \cdots ⑥

【第 2 段】ABJAHK\triangle\text{ABJ} \equiv \triangle\text{AHK} を示す

ABJ\triangle\text{ABJ}AHK\triangle\text{AHK} において,仮定より

BAJ=HAK=90\angle\text{BAJ} = \angle\text{HAK} = 90^{\circ} \quad \cdots ⑦

⑤,⑥,⑦ より,1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので

ABJAHK\triangle\text{ABJ} \equiv \triangle\text{AHK}

したがって

BJ=HK\text{BJ} = \text{HK}

(証明終わり)

KRONE ポイント

線分の長さが等しいことの証明は,その線分を辺にもつ三角形の合同にもち込みます。この問題の急所は,いきなり ABJAHK\triangle\text{ABJ} \equiv \triangle\text{AHK} を狙っても辺の情報が足りないこと。そこで先に ABEAHC\triangle\text{ABE} \equiv \triangle\text{AHC} を示して AB = AH をつくり,それを 2 つ目の合同の材料にします。合同を 2 回使う二段構えは,記述問題の頻出パターンです。


この問題から学ぶこと

問題 5 は,「正方形を辺の外側につくる」という設定から生まれる,回転の対称性を見抜けるかが勝負です。EAC=HAB=90\angle\text{EAC} = \angle\text{HAB} = 90^{\circ} という 2 つの直角があるため,点 A を中心に ABE\triangle\text{ABE} を回すと AHC\triangle\text{AHC} にぴたりと重なります。この「回して重なる」感覚をつかむと,(2) の複雑に見える合同が,自然なものに見えてきます。

証明の進め方にも型があります。(1) は相似の式の頂点の順番から,示すべき角を先に決める。(2) は求めたい線分を辺にもつ三角形をゴールに置き,足りない材料を別の合同で先に用意する。どちらも,やみくもに図をながめるのではなく,「何を示せばゴールか」から逆算して手を動かしています。図形の証明で手が止まるのは,このゴールからの逆算ができていないときです。


クローネ学園での指導

クローネ学園では,図形の証明を「解答を丸暗記する」のではなく,なぜその 2 つの三角形に注目するのかという着眼点から指導します。相似なら頂点の対応,合同なら等しくしたい辺や角,というゴールを先に見定めてから,図の印(平行・直角・正方形)を根拠として拾っていく。この順序を身につけると,初めて見る図でも証明の方針が立てられるようになります。

証明を得点源にする指導のポイント: 記述式の証明は,部分点の取り方まで含めて練習します。全部が書けなくても,「注目する三角形」「等しい辺・角とその根拠」を 1 つずつ書けば点になります。授業では,回転や対称性で重なる図形を見抜く目を養いながら,根拠を過不足なく言葉にする書き方を繰り返し訓練します。


相似・合同の証明の解き方(まとめ)

  • 相似の証明は,証明したい式の頂点の順番から,示すべき角の組を先に決める
  • 平行な直線があれば錯角・同位角,正方形の角なら 9090^{\circ} を根拠に使う
  • 線分の長さが等しいことは,その線分を辺にもつ三角形の合同にもち込む
  • 材料が足りないときは,別の合同を先に示して辺の等しさ(AB = AH)を用意する
  • 正方形を辺の外側につくる図は,ある点を中心とした回転で重なる合同を疑う

クローネ学園では、高校受験を目指す中学生の数学・英語の指導を行っています。 高松市で中学生向けの学習塾をお探しの方は高松市の中学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。

本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)

Index

大問ごとの解説

FAQ

よくある質問

相似の証明で、どの2つの三角形に注目すればよいか分かりません。

証明したい相似が「△CFG∽△FIC」のように与えられているときは、対応する頂点の順番がヒントになります。CとF、FとI、GとCが対応するので、その順に等しい角をさがします。平行な線があれば錯角・同位角、直角の印があれば90°どうし、というように、図の中の印から等しい角を2組見つけるのが基本の進め方です。

合同を証明するのに、等しい角を「回転」で説明するのはなぜですか?

正方形や正三角形を辺の外側につくる問題では、片方の三角形をある点のまわりに90°回転させると、もう片方にぴったり重なることがよくあります。この問題では点Aを中心に△ABEを回すと△AHCに重なります。回転で重なるということは合同ということなので、対応する辺(BE と HC)や角が等しいと分かります。等しい角を式だけで追うより、回転のイメージを持つと見通しがよくなります。

BJ=HKのような線分の長さの証明は、どう進めればよいですか?

長さが等しいことを示すには、その2本の線分を辺にもつ三角形どうしの合同を見つけるのが定石です。この問題では、BJを含む△ABJとHKを含む△AHKが合同であることを示します。そのために、先に別の合同(△ABE≡△AHC)からAB=AHを用意し、両端の角も等しいことを押さえてから、2つ目の合同につなげます。合同を2回使う二段構えの証明です。

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