香川県公立高校入試2023 問題4|カード交換・連立方程式の文章題
香川県公立高校入試2023年度の数学問題4を解説。カードと袋を使った操作の規則性(合計に注目してXを求める・条件から5つの自然数を特定)と、バザーの売上を題材にした連立方程式の文章題まで、会話文の読み取りから立式・計算まで手順つきで丁寧に解説します。高松市の学習塾クローネ学園が高校受験の数学を支えます。
この問題について
香川県公立高校入試 2023 年度の問題 4 は,(1) カードと袋を使った操作の規則性と,(2) バザーの売上を題材にした連立方程式の文章題の 2 問構成です。どちらも会話文や長い説明文を読み,条件を式に翻訳する力が問われます。
計算そのものは難しくありませんが,「何に注目すれば見通しよく解けるか」を見抜けるかで差がつきます。この記事では次のことを解説します。
- カードと袋の操作で,合計に注目して X を求める
- 条件を整理して,操作①で書いた 5 つの自然数を特定する
- 長い文章題を一文ずつ式に翻訳し,連立方程式で解く
香川県公立高校入試(2023)問題 4
問題 4 は「次の(1),(2)の問いに答えなさい」という形で,独立した 2 つの問題が並びます。(1) はカードを交換していく操作の規則性,(2) はバザーの売上を題材にした連立方程式の文章題です。どちらも問題文が長いので,(1)・(2) それぞれの問題文とその解説を,続けて読める形で下にまとめます。
難易度: ★★★☆☆ 分野: カード交換・文字式・連立方程式の文章題 目安時間: 8分
問題 4 (1)カード交換
次の会話文を読んで,あとのア,イの問いに答えよ。
先生:ここに何も書かれていないカードがたくさんあります。このカードと何も入っていない袋を使って,次の操作①から操作⑤を順におこなってみましょう。
操作
- 操作① 5 枚のカードに自然数を 1 つずつ書き,その 5 枚のカードをすべて袋に入れる。
- 操作② 袋の中から同時に 2 枚のカードを取り出す。その 2 枚のカードに書いてある数の和を とし,新しい 1 枚のカードに の値を書いて袋に入れる。取り出した 2 枚のカードは袋に戻さない。
- 操作③ 袋の中から同時に 2 枚のカードを取り出す。その 2 枚のカードに書いてある数の和を とし,新しい 1 枚のカードに の値を書いて袋に入れる。取り出した 2 枚のカードは袋に戻さない。
- 操作④ 袋の中から同時に 2 枚のカードを取り出す。その 2 枚のカードに書いてある数の和を とし,新しい 1 枚のカードに の値を書いて袋に入れる。取り出した 2 枚のカードは袋に戻さない。
- 操作⑤ 袋の中から同時に 2 枚のカードを取り出す。その 2 枚のカードに書いてある数の和を とする。
花子:私は操作①で 5 枚のカード 1,2,3,5,7 を袋に入れます。次に操作②をします。袋の中から 3 と 5 を取り出したので,8 を袋に入れます。操作②を終えて,袋の中のカードは 1,2,7,8 の 4 枚になりました。
太郎:私も操作①で 5 枚のカード 1,2,3,5,7 を袋に入れました。操作②を終えて,袋の中のカードは 3,3,5,7 の 4 枚になりました。次に操作③をします。袋の中から 3 と 3 を取り出したので,7 を袋に入れます。操作③を終えて,袋の中のカードは 5,7,7 の 3 枚になりました。
花子:操作⑤を終えると,私も太郎さんも X = P になりました。
先生:2 人とも正しく X の値が求められましたね。
- ア 会話文中の P にあてはまる数を求めよ。
- イ 次郎さんも,花子さんや太郎さんのように,操作①から操作⑤を順におこなってみることにした。そこで,操作①で異なる 5 つの自然数を書いた 5 枚のカードを袋に入れた。操作②で取り出した 2 枚のカードの一方に書いてある数は 3 であった。操作③で取り出した 2 枚のカードの一方に書いてある数は 1 であり,操作③を終えたとき,袋の中にある 3 枚のカードに書いてある数はすべて同じ数であった。操作⑤を終えると X = 62 になった。このとき,次郎さんが操作①で書いた 5 つの自然数を求めよ。
問題 4 (1)ア
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「どの 2 枚を取り出したか」を追う必要はありません。袋の中のカードの合計がどう変わるかだけを見ます。
- 操作② 和 をそのまま入れる → 合計は変わらない
- 操作③ を入れる → 合計は 1 増える
- 操作④ を入れる → 合計は 2 増える
- 操作⑤ 残った 2 枚の和が → そのときの袋の合計がそのまま
操作①の合計は です。 ここから操作②で変わらず,操作③で ,操作④で されるので,操作⑤の直前の合計は
操作⑤ではこの 2 枚の和が なので,。
念のため花子さんの流れでも確かめます。操作②を終えた袋は 1,2,7,8 で合計 18。操作③で ,操作④で をして 。同じく になります。
(答)
KRONE ポイント
操作のたびに全部のカードを書き出すと大変です。変化するのは合計だけに注目すると, を足すだけで が決まります。「何が変わって何が変わらないか」を見抜くのが規則性の問題の急所です。
問題 4 (1)イ
次郎さんは操作①で異なる 5 つの自然数を書いた。操作②で取り出した一方は 3,操作③で取り出した一方は 1 であり,操作③を終えたとき袋の中の 3 枚はすべて同じ数だった。操作⑤を終えると X = 62 になった。操作①で書いた 5 つの自然数を求めよ。
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アで見つけた「合計だけ追う」考え方を,逆向きに使います。
まず操作①の合計を とすると,操作⑤直前の合計は で,これが です。
操作①の 5 つの自然数の合計は 59 とわかりました。
次に「操作③を終えたとき,袋の 3 枚がすべて同じ数」という条件を使います。 操作③を終えた時点の合計は で,これが同じ数 3 枚ぶんなので,。 つまり操作③後の袋は 20,20,20 です。
操作③をさかのぼります。操作③は 2 枚(一方は 1)を取り出し,和 に 1 を足したカードを入れる操作です。 操作③後の 3 枚のうち 1 枚が新しく入れたカードで,その値は 20。だから より 。 取り出した一方が 1 なので,もう一方は 。 残りの 2 枚は 20,20 のままだったので,操作③の直前(=操作②後)の袋は 1,18,20,20 です。
さらに操作②をさかのぼります。操作②は 2 枚(一方は 3)を取り出し,和 のカードを入れる操作です。 操作②後の 4 枚 1,18,20,20 のうち 1 枚が新しく入れた です。 は 3 ともう一方の数 の和なので ,つまり は 3 より大きい。 1,18,20 のうち にできるのは, が自然数(1 以上)になるものを調べます。
このとき操作①の 5 枚は,取り出した 3 と ,そして操作②で使わずに残った 1,18,20 を合わせて
合計は で条件に合い,5 つとも異なる自然数です。 ( や の場合は が負になったり,5 つが異なる自然数にならず,条件を満たしません。)
最後に,この 5 数で操作をたどって になるか確かめます。
たしかに になりました。
(答)1,3,17,18,20
KRONE ポイント
規則性の問題は,わかっている結果(X=62)から逆向きにたどると一気に解けることがあります。合計を使って操作③後を 20,20,20 と確定できたのが突破口です。前から総当たりする前に,「決め手になる条件はどれか」をさがしましょう。
問題 4 (2)バザーの売上
2 日間おこなわれたバザーで,太郎さんのクラスは,ペットボトル飲料,アイスクリーム,ドーナツの 3 種類の商品を仕入れて販売した。バザーは,1 日目,2 日目とも 9 時から 15 時まで実施された。
1 日目の 8 時に,太郎さんのクラスへ,1 日目と 2 日目で販売するペットボトル飲料とアイスクリームのすべてが届けられた。このとき,1 日目に販売するドーナツも届けられた。また,2 日目の 8 時に,2 日目に販売するドーナツが届けられ,その個数は,1 日目の 8 時に届けられたドーナツの個数の 3 倍であった。
ペットボトル飲料は,1 日目と 2 日目で合計 280 本売れ,1 日目に売れたペットボトル飲料の本数は,2 日目に売れたペットボトル飲料の本数よりも 130 本少なかった。
1 日目において,1 日目の 8 時に届けられたドーナツはすべて売れた。1 日目に売れたアイスクリームの個数は,1 日目の 8 時に届けられたアイスクリームの個数の 30 % で,1 日目に売れたドーナツの個数よりも 34 個多かった。
2 日目は,アイスクリーム 1 個とドーナツ 1 個をセットにして販売することにした。1 日目が終了した時点で残っていたアイスクリームの個数が,2 日目の 8 時に届けられたドーナツの個数よりも多かったので,ドーナツはすべてセットにできたが,いくつかのアイスクリームはセットにできなかった。セットにできなかったアイスクリームは 1 個ずつで販売され,セットにしたアイスクリームとは別に 4 個が売れた。2 日目が終了した時点で,アイスクリームは 5 個,ドーナツは 3 個残っていた。
これについて,次のア〜ウの問いに答えよ。
- ア 1 日目に売れたペットボトル飲料の本数は何本か。
- イ 下線部について,1 日目に届けられたアイスクリームの個数を 個,1 日目に届けられたドーナツの個数を 個として, を を使った式で表せ。
- ウ 1 日目に届けられたアイスクリームの個数を 個,1 日目に届けられたドーナツの個数を 個として,, の値を求めよ。, の値を求める過程も,式と計算を含めて書け。
問題 4 (2)ア
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ペットボトル飲料は,2 日間の合計が 280 本で,1 日目は 2 日目より 130 本少ない,という条件です。 2 日目に売れた本数を求めてから 130 を引きます。
2 日目に売れた本数を 本とすると,1 日目は 本。合計が 280 本なので
1 日目に売れた本数は 本です。
(答)75 本
問題 4 (2)イ
下線部について,1 日目に届けられたアイスクリームの個数を 個,1 日目に届けられたドーナツの個数を 個として, を を使った式で表せ。
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下線部は「1 日目に売れたアイスは,届いたアイスの 30 % で,売れたドーナツより 34 多い」です。一文を 2 つの部分に分けて式にします。
- 1 日目に売れたアイス=届いたアイスの 30 % → 個
- 1 日目の 8 時に届いたドーナツはすべて売れたので,売れたドーナツ= 個
「売れたアイスは売れたドーナツより 34 多い」ので
について解きます。
(答)
KRONE ポイント
「A は B の 30 %」は ,「A は B より 34 多い」は 。長い文章題は,日本語を一文ずつ小さな等式に翻訳していくのが確実です。
問題 4 (2)ウ
1 日目に届けられたアイスクリームの個数を 個,1 日目に届けられたドーナツの個数を 個として,, の値を求めよ。求める過程も式と計算を含めて書け。
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イで 1 本目の式ができました。もう 1 本を,2 日目のアイスの動きから作ります。
まず 2 日目に売れたアイスの個数を , で表します。 アイスは全部で 個届き,1 日目に 個売れ,2 日目終了時に 5 個残ったので,2 日目に売れたアイスは
この中に,セットにできず 1 個ずつ売れたアイス 4 個がふくまれます。だから 2 日目にセットにして売れたアイスは
次に 2 日目に売れたドーナツを表します。 2 日目に届いたドーナツは 1 日目の 3 倍で 個。2 日目終了時に 3 個残ったので,2 日目に売れたドーナツは 個です。
ドーナツはすべてセットにできたので,セットにして売れたアイスの個数=2 日目に売れたドーナツの個数。
整理して
① と ② を連立して解きます。
① に代入して
(答),
KRONE ポイント
文章題は,求めるものだけを , に置き,ほかの量(売れた個数・2 日目の個数)はすべて , の式で表すのがコツです。文字を増やさないほど式がすっきりし,ミスが減ります。
この問題から学ぶこと
問題 4 の 2 問は,どちらも「長い説明を読んで,条件を式に翻訳する」力を試しています。(1) では変化する量(合計)だけに注目して操作を追い,(2) では日本語を一文ずつ等式に直して連立方程式を立てました。
共通するのは,全部をいちどに扱おうとしないことです。カードなら「合計」,文章題なら「求めるもの」に的をしぼり,そこから芋づる式に他の量を表していく。手が止まるのは計算力ではなく,「どこに注目するか」が決まらないときです。注目する 1 点を決めてから動き出すと,複雑に見える問題も筋道が通ります。
クローネ学園での指導
クローネ学園では,こうした長文の問題を「なんとなく読む」で終わらせず,条件を 1 つずつ式や図に書き出して整理する ところまで指導します。規則性なら「何が変わって何が変わらないか」,文章題なら「一文ずつ等式に直す」というように,読み方の手順を身につけると,初めて見る長い問題でも落ち着いて立式できるようになります。
得点力を育てる指導のポイント: 長い問題文は,読みながら条件を一行ずつメモに書き出してもらいます。頭の中だけで処理しようとせず,手を動かして条件を目に見える形にすることが,複雑な問題を解ききる力につながります。
規則性・文章題の解き方(まとめ)
- カードと袋の操作は,合計の増減だけを追う(操作② ,操作③ ,操作④ )
- 求めたい結果(X)がわかっているなら,逆向きにたどると条件が確定しやすい
- 割合・「〜より多い」は,日本語をそのまま等式に翻訳する
- 文章題は求めるものだけを文字に置き,ほかの量はその文字の式で表す
- 長い問題ほど,条件を一文ずつ書き出してから立式する
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本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
Index
大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
カードと袋の操作で、Xの値を1つずつ計算せずに求めるコツはありますか?
袋の中のカードの合計がどう変わるかだけを追うのがコツです。操作②は2枚の和をそのまま入れるので合計は変わりません。操作③はb+1を入れるので合計が1増え、操作④はc+2を入れるので合計が2増えます。操作⑤で残った2枚の和がXなので、最初の合計に+1と+2をした値がそのままXになります。どの2枚を取り出したかを追わなくても、合計の増減だけでXが決まります。
連立方程式の文章題で、割合や『〜より多い』をどう式にしますか?
『AはBの30%』はA=0.3B、『AはBより34多い』はA=B+34のように、日本語をそのまま等式に翻訳します。この問題では『1日目に売れたアイスは、届いたアイスの30%で、売れたドーナツより34多い』を、0.3x=y+34と一気に式にできます。長い文章題ほど、一文ずつ小さな等式に区切って書き出すのが確実です。
文章題で何をx、yに置けばよいか迷います。どう決めますか?
問いで『求めよ』と指定されているものを最優先でx、yに置きます。この問題では1日目に届いたアイスとドーナツの個数を求めるので、それをそのままx、yにします。売れた個数や2日目の個数は、x・yを使った式で表せるので、置く文字は増やさないのがコツです。文字を増やしすぎると式が複雑になり、ミスの原因になります。
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