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11算数中学受験

愛光中2010 大問2|速さの比と旅人算を1問ずつ解説(自転車・走る・歩く)

愛光中学校2010年度(平成22年度)算数の大問2を解説。同じ道のりを自転車・走る・歩くでかかった時間から速さの比を求め、つるかめ算で自転車に乗った時間を出し、距離の比から歩く速さを求めます。速さの比の使い方を一つずつていねいに。高松市の学習塾クローネ学園。

この問題について

愛光中学校 2010 年度(平成 22 年度)の大問 2 は、速さをテーマにした 1 題です。同じ家から駅までの道のりを「自転車・走る・歩く」の 3 通りで進んだときの時間が与えられ、途中で乗り物や進み方を変えながら移動する場面をあつかいます。3 つの小問は少しずつ積み上がっていく形になっていて、前の答えを次に使う流れです。あわてて公式に当てはめず、「いま何がわかっていて、何を求めたいのか」を一つずつ整理していくことが大切です。

同じ年度の大問1(計算・数の性質・図形)は前半の解説後半の解説をご覧ください。この記事では次のことをあつかいます。

  • 速さのちがう 3 つの進み方(自転車・走る・歩く)の関係の表し方
  • 途中で進み方を変えたときの、区間ごとの時間の分け方
  • それぞれの区間の距離と速さのつながり

愛光中(2010)2

A 君が家から駅まで行くのに、自転車なら 30 分、走ると 1 時間 10 分、歩くと 1 時間 45 分かかります。家から駅までの間に P 地点と Q 地点があります。A 君はある日、家から P まで自転車で行き、P から Q まで 11 分間走り、Q から駅まで歩いたところ、家から駅まで 47 分かかりました。ただし、自転車の速さ、走る速さ、歩く速さは、それぞれ一定とします。

愛光中2010年算数大問2 家から駅までの直線上に、家に近い側からP地点・Q地点がある線分図。家からPまで自転車、PからQまで走り、Qから駅まで歩く

難易度: ★★★☆☆  分野: 速さの比・旅人算・つるかめ算  目安時間: 8分


2 (1)

自転車の速さ、走る速さ、歩く速さの比を、もっとも簡単な整数の比で表しなさい。

答え・解説を見る

同じ家から駅までの道のりを、それぞれのやり方で進んでいます。同じ道のりを進むとき、速さと時間は反比例します。速い方法ほど、かかる時間は短くなるからです。

まず、かかった時間を分にそろえます。自転車 30 分、走ると 1 時間 10 分70 分、歩くと 1 時間 45 分105 分です。この時間の比を、まず約分してかんたんにします。

時間の比= 30 : 70 : 105= 6 : 14 : 21

速さの比は、この時間の比の逆比になります。時間の逆数をとって、

速さの比16114121= 7 : 3 : 2

分母(6・14・21)の最小公倍数 42 を全部にかけると、整数の比 7 : 3 : 2 になります。

(答)7 : 3 : 2

KRONE ポイント

「同じ道のり」ときたら、速さの比は時間の逆比です。逆比は「順番をひっくり返す」ことではなく、それぞれの逆数(1 をその数でわった数)の比をとることです。時間が 6 : 14 : 21 なら、速さは 16:114:121\frac{1}{6} : \frac{1}{14} : \frac{1}{21}、通分して 7 : 3 : 2 となります。まず時間を同じ単位(分)にそろえ、約分してから逆数をとるのが確実です。


2 (2)

自転車に乗っていたのは何分間ですか。

答え・解説を見る

速さの比が 7 : 3 : 2 とわかったので、自転車の速さを7、走る速さを3、歩く速さを2 とおいて考えます。速さを比の数のまま使うと、道のりも同じ単位でそろえて追えます。まず家から駅までの道のりは、自転車で 30 分かかることから、

家から駅までの道のり = 7 × 30 = 210

この日は、家から P まで自転車、P から Q まで 11 分走り、Q から駅まで歩きました。走る速さは3なので、走った道のりは、

P から Q = 3 × 11 = 33

残りの道のり 21033177 を、自転車(速さ7)と歩き(速さ2)で進んだことになります。かかった時間は、全体 47 分から走った 11 分を引いて、

47 − 11 = 36(分)……自転車と歩きの時間の合計

ここで、自転車と歩きの合計 36 分で、合計 177 の道のりを進んだという関係を、つるかめ算で解きます。もし 36 分すべて歩き(速さ2)だったら道のりは 2 × 36 = 72 にしかなりません。実際は 177 なので、その差を、歩きより速い自転車(速さ7)に置きかえて埋めます。

自転車の時間=(1772 × 36)÷(72105 ÷ 5= 21(分)

(答)21 分

KRONE ポイント

速さの比を「そのままの速さ」として使うと、道のりや時間を数で追えます。合計の時間と合計の道のりがわかれば、速さのちがう 2 つの区間はつるかめ算で分けられます。


2 (3)

P から Q までの距離は Q から駅までの距離より 75m 長い。歩く速さは毎分何 m ですか。

答え・解説を見る

まず、それぞれの区間の時間を整理します。走ったのは 11 分、自転車が (2) より 21 分だったので、歩いた時間は、

歩いた時間 = 36 − 21 = 15(分)

P から Q は「走り」の区間、Q から駅は「歩き」の区間です。(2) と同じく速さを32のまま使って、それぞれの道のりを出します。

P から Q = 3 × 11 = 33
Q から駅 = 2 × 15 = 30

P から Q は Q から駅より 75m 長い、という条件から、道のりの差 33303 が、実際の 75m にあたります。ですから道のりの 1 は、

75 ÷ 3 = 25(m)

Q から駅までの道のりは 30 なので、

Q から駅 = 25 × 30 = 750(m)

歩いた区間は Q から駅で、道のり 750m を 15 分で歩いたので、歩く速さは、

750 ÷ 15 = 50(m)

(答)毎分 50m

KRONE ポイント

道のりの差と実際の長さを結びつけるのが急所です。速さを比の数のまま使うと、P から Q(33)と Q から駅(30)の差 3 が 75m にあたるとわかり、道のりを実際の m に直せます。速さ = 道のり ÷ 時間 で最後に歩く速さを求めます。


この問題から学ぶこと

大問 2 が教えてくれるのは、速さの問題は「比」で考えると一本につながるということです。(1) で作った 7 : 3 : 2 という速さの比を、そのまま実際の速さのように使い続けることで、(2) の時間も (3) の距離もすべて同じ土台の上で追えます。区間ごとに公式を当てはめ直すのではなく、一度作った比を最後まで持ちこすのが、この問題のいちばんの学びどころです。

特別な発想はいりません。「同じ道のりなら速さと時間は逆比」という一つの見方を、区間ごとにていねいに当てはめていくだけです。


クローネ学園での指導

クローネ学園では、速さの問題を「はじき(み・は・じ)」の公式にあてはめるだけの解き方では教えません。同じ道のり・同じ時間・同じ速さのどれがそろっているかを見つけ、比で結びつける——その手前の見極めを言葉にする指導をしています。(1) で「同じ道のりだから時間の逆比」と自分で言えるかどうかが、(2)(3) まで解ききれるかの分かれ目になります。

計算や比の反復には、登録不要・無料で使えるクローネらぼの計算ドリルが役立ちます。毎日少しずつ続けることが、速さの問題を落ち着いて解く力につながります。


速さの比と旅人算の解き方(まとめ)

  • 同じ道のりを進むとき、速さの比はかかった時間の逆比になる(7 : 3 : 2)
  • 速さの比を実際の速さとして使うと、道のりや時間を数で追える
  • 合計の時間と合計の道のりがわかれば、速さのちがう 2 区間はつるかめ算で分けられる
  • 距離の比の差が実際の長さ(75m)にあたることを使えば、比を m に直せる

同じ年度のほかの問題は大問1前半大問1後半の解説もあわせてご覧ください。


クローネ学園では、中学受験を目指す小学生の算数・国語の指導を行っています。 高松市で中学受験対策の学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。

本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)

Index

大問ごとの解説

FAQ

よくある質問

同じ道のりを進んだときの速さの比はどう求めますか?

同じ道のりを進むとき、速さと時間は反比例します。つまり速さの比は、かかった時間の比の「逆比」になります。(1)では自転車30分・走る70分・歩く105分なので、速さの比は 1/30 : 1/70 : 1/105 = 7 : 3 : 2 と求まります。時間が短いほど速い、という当たり前の関係を比で表すのがコツです。

自転車に乗っていた時間はどう求めますか?

全体の道のりを速さの比で表し、走った分を引いて、残りを自転車と歩きで分けます。(2)では自転車の速さを7とすると全体の道のりは7×30=210。走った分33を引いた177を、自転車(速さ7)と歩き(速さ2)で進みます。合計時間は47−11=36分なので、つるかめ算で自転車の時間が21分と求まります。

歩く速さは何を手がかりに求めますか?

(3)では、走った距離と歩いた距離を速さの比で表し、その差が実際の75mにあたることを使います。走り11分・歩き15分なので距離の比は(3×11):(2×15)=11:10。差の1が75mにあたるので、Q〜駅の道のり(比10)は750m。これを歩いた時間15分で割って、歩く速さは毎分50mと求まります。

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