愛光中2012 大問1(6)〜(9)|面積・速さ・面積比・点の移動を解説
愛光中学校2012年度(平成24年度)算数の大問1(6)〜(9)を解説。正方形と内接円の面積・ガソリンと速さ・折り返し図形の面積比・円周上を動く点の周期を、図や式で一つずつていねいに整理します。高松市の学習塾クローネ学園。
この問題について
愛光中学校 2012 年度(平成 24 年度)の大問 1 は、はば広い分野の小問集合です。この記事では後半の (6)〜(9) をあつかいます。正方形と内接円の面積、ガソリンと速さ、折り返し図形の面積比、円周上を動く点の周期と、平面図形・速さ・比・規則性が問われます。前半の (1)〜(5) は別の記事で解説しています。
同じ愛光中の2012年 大問1前半・大問3(合金)・2010年 大問1後半の解説もあわせてご覧ください。この記事では次のことをあつかいます。
- (6) 正方形と内接円の面積
- (7) ガソリンと速さ
- (8) 折り返し図形の面積比
- (9) 円周上を動く点の周期
愛光中(2012)1
次の各問題の □ にあてはまる数を求めなさい。答だけでよい。
難易度: ★★★☆☆ 分野: 面積・速さ・面積比・点の移動 目安時間: 15分
1 (6)
右の図において、正方形 ABCD の面積が 160cm² のとき、斜線部分の面積は ① cm² です。また、円の面積は ② cm² です。ただし、円周率は 3.14 とします。
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まず斜線部分の面積を求めます。 下の図のように、等積移動をすると全体の半分です。
次に円の面積を求めます。 円は、内側のひし形と、まわりの葉っぱ型 4 つを合わせた形です。
葉っぱ型は正方形の 0.57 倍なので、青色の部分は
ひし形 80cm² に葉っぱ型 4 つを足して、
KRONE ポイント
全体を 4 等分する直線を引けると等積移動、葉っぱ型に気が付きます。
1 (7)
毎時 60km で走るとガソリン 1L で 20km 進み、毎時 40km で走るとガソリン 1L で 30km 進む自動車があります。この自動車にガソリン 30L を入れて、AB 間を毎時 60km で走ったときに残ったガソリンの量と AB 間を毎時 40km で走ったときに残ったガソリンの量の比は 3:8 でした。AB 間の距離は ① km です。この自動車にガソリン 22L を入れて、A から毎時 60km で走りはじめ、途中で毎時 40km にかえて B まで走ります。できるだけ早く B に到着するように走ると、② 時間 ③ 分かかります。
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まず AB 間の距離を求めます。 同じ道のりを走るとき、使うガソリンは 1L で進む道のりの逆比です。 60km/時 は 1L で 20km、40km/時 は 1L で 30km なので、使うガソリンの比は 20 と 30 の逆比で 3:2、 残ったガソリンの比を 3:8 とします。
| 60km/時 | 40km/時 | |
|---|---|---|
| 1L あたり | 20km | 30km |
| ガソリン | 3 | 2 |
| キョリ | 1 | 1 |
| 残り | 3 | 8 |
1 = 5 なので、 60km/時 で使ったガソリン 3 = 15 = 25L です。60km/時 は 1L で 20km なので、
次に、ガソリン 22L で 500km を走るときの最短時間です。 もし AB 間をすべて 60km/時 で走ると、必要なガソリンは、
ところが、入れたガソリンは 22L で 3L 足りません。 60km を 60km/時 から 40km/時 に変えると 1L 節約できるので、3L 節約するには
残りの 500 − 180 = 320km を 60km/時 で走ります。
56 時間 = 60 × 56 = 50 分なので、
KRONE ポイント
燃費がちがう問題は、使うガソリンを逆比でとらえ、2 種類の比を表で整理するのがポイントです。最短時間は「全部速く走ったら何 L 足りないか」を先に出し、足りない分だけ燃費のよい 40km/時 に切りかえる、と考えると道のりが決まります。
1 (8)
右の図のような図形 ABCD があります。この図形を AC で折り曲げると点 B と点 D が重なります。また、BC を延長すると辺 AD と点 E で交わります。AB の長さが 8cm、AE の長さが 5cm のとき、BC と CE の長さの比をもっとも簡単な整数の比で表すと ①:② です。また、三角形 ABD と三角形 ABC の面積の比をもっとも簡単な整数の比で表すと ③:④ です。
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この問題は、折り返しの対称性と、等高図形(高さが同じ三角形)の面積比の 2 つだけで解けます。
下の図から
KRONE ポイント
折り返しの問題は、合同からわかる「辺」と「角」を両方書きこむのが第一歩です。あとは「高さが同じ三角形の面積比=底辺の比」を使うと、まわりの三角形が図のように次々に決まります。
1 (9)
図 1 のように、3 点 A、B、C が円周上の点 P から同時に、円周上を時計回りにそれぞれ一定の速さで動き始めます。動く速さは A がもっとも速く 20 秒で 1 周し、C がもっとも遅く 180 秒で 1 周します。A が 1 周するまでに、図 2 のように三角形 ABC が正三角形になるときがあります。B は 1 周するのに ① 秒かかります。また、図 2 の状態になるのは動き始めてから ② 秒後です。3 点がこのまま回り続けると、動き始めてから ③ 秒後にはじめて 3 点が重なります。
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A と C が 1 周にかかる時間の比から、A と C の速さ・距離の比は 9:1 です。
最初にABCが正三角形を作るとき、AB、BC、CAの間隔が等しくなるのでBC間は
B は C の 5 倍の速さなので、1 周するのにかかる時間は
1 の角度は
C の角速度は 2 度/秒 なので、図2になるのは
3 点がはじめて重なる時刻を求めます。 A、B、C の角速度はそれぞれ 18 度/秒、10 度/秒、2 度/秒です。 A と B が重なるのは
したがって、3 点が重なるのは 45 秒ごとになります。
(答)① 36 秒 ② 15 秒後 ③ 45 秒後
KRONE ポイント
点が円周上を動くときは角速度を使ってときましょう。角速度は、単位時間あたりに移動する角度を表しています。
この問題から学ぶこと
大問 1 後半は、平面図形・速さ・比・点の移動と、分野がまるでちがう 4 問が並びます。ですが、どの問題も共通して「そのまま数えず、関係を見つけて計算に落とす」という姿勢が問われています。(6) は点対称に気づけば面積を 1 つずつ求めずにすみ、(9) は「差」に注目すれば重なりの時刻が一気に出ます。
とくに (9) の「差で考える」発想は、旅人算・時計算・点の移動に共通する大切な道具です。位置そのものを追うのではなく、2 点の間がどれだけ開くか・縮まるかに目を向けると、追いつきや重なりが見えてきます。分野の名前がちがっても、使う考え方は地続きだと感じてほしい問題です。
クローネ学園での指導
クローネ学園では、こうした小問集合を「1 問ずつバラバラに覚える」のではなく、問題の奥にある共通の考え方を取り出すように指導します。(6) の点対称、(8) の折り返しでの合同、(9) の差で考える——それぞれが、別の問題でもくり返し使える見方です。目の前の 1 問を解くだけでなく、「次にどこで使えるか」まで意識してもらいます。
思考力を育てる指導のポイント: 答えの数値より「なぜその見方で解けるのか」を説明できることを重視します。分野をこえて使える考え方をストックしていくことが、はじめて見る問題での対応力につながります。
面積・速さ・面積比・点の移動の解き方(まとめ)
- 斜線が点対称にかかれていたら、面積は全体の半分
- 円が正方形に内接するとき、円の直径 = 正方形の 1 辺。半径 × 半径がわかれば面積が出る
- 速さがちがうと燃費もちがう問題は、使うガソリンを式にして比で結ぶ
- 折り返して重なる図形は、合同で決まる辺と角を書きこんでから比を求める
- 円周上を動く点は 1 秒あたりの角度で考え、正三角形は 120 度ずつ・重なりは差が 360 度の倍数
同じ愛光中の2012年 大問1前半・大問3(合金)・2010年 大問1後半の解説もあわせてご覧ください。
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本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
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大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
正方形と内接円の斜線部分の面積は、どう考えればよいですか?
斜線が点対称にかかれているときは、正方形の半分と考えられます。この問題では、内接円の中をS字に分けた片側と、対角の2つの隅の斜線を合わせると、図全体が中心について点対称になります。点対称な図形は、対応する部分どうしがちょうど半分ずつに分かれるので、斜線部分=正方形の面積の半分=160÷2=80cm²です。円の面積は、正方形の1辺を□とすると□×□=160、円の半径×半径=160÷4=40なので、40×3.14=125.6cm²になります。
ガソリンと速さの問題は、どう整理しますか?
60km/時のときは1Lで20km、40km/時のときは1Lで30km進む、と燃費がちがうことに注意します。AB間の距離を□とすると、使うガソリンは□÷20と□÷30。残ったガソリンの比が3:8になる式を立てて□を求めます。後半は、22Lで500kmを走る条件から60kmと40kmで走る距離を分け、それぞれの時間を足して最短時間を出します。
折り返してぴったり重なる図形の面積比は?
折り返して2点が重なるとき、折り目をはさんだ2つの三角形は合同です。この問題ではACで折るとBとDが重なるので、三角形ABCと三角形ADCが合同になり、AB=AD、CB=CDが決まります。あとはBC延長とADの交点Eを使い、辺の比から相似や面積比を求めます。合同・相似で辺の長さや角の等しさを次々にたどるのがコツです。
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