愛光中2010 大問1後半|角度・場合の数・面積比・条件整理を1問ずつ解説
愛光中学校2010年度(平成22年度)算数の大問1後半を解説。台形と角度、さいころで動く点の場合の数、辺を延長してつくる三角形の面積比、クイズの正誤を条件から絞る問題まで、思考力が問われる4問を一つずつていねいに解きます。高松市の学習塾クローネ学園。
この問題について
愛光中学校 2010 年度(平成 22 年度)大問 1 の後半 (6) から (9) は、前半の計算とちがって、その場で考えて条件を整理する力が問われる問題が並びます。角度・場合の数・面積比・論理と分野はばらばらですが、どれも「与えられた条件を、どう自分の言葉に置きかえるか」で解けるかどうかが決まります。この記事では 1 問ずつ、その手がかりを確認していきます。
前半((1) 〜 (5) の計算・逆算・年齢算・円の面積)は愛光中2010 大問1前半の解説をご覧ください。
- (6) 台形と角度を、直角三角形に注目して求める
- (7) さいころで動く点を「到達点の組み合わせ」で数える
- (8) 辺を延長した三角形の面積比を、部分ごとに足す
- (9) クイズの正誤を、仮定と消去法で確定する
難易度: ★★★☆☆ 分野: 小問集合(平面図形・場合の数・面積比・条件整理) 目安時間: 15分
1 (6)
右の図において、角アの大きさは ① 度で、角イと角ウの大きさの合計は ② 度です。また、台形 ABCD の面積は ③ cm² です。
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この図は 4cm ずつの方眼でできています。まず角アに注目します。角アを頂角にもつ三角形は、たての辺と横の辺がどちらも同じ長さ(等しいマス数)の直角二等辺三角形になっています。直角二等辺三角形の直角以外の 2 つの角は等しく、それぞれ 45 度です。ですから、
次に角イと角ウです。図の角イ・角ウは、それぞれ別の直角二等辺三角形の底角にあたり、いずれも 45 度と等しくなります。したがって、
最後に台形 ABCD の面積です。台形 ABCD は,上底 AB・下底 CD・高さ 4cm の台形です。上底と下底の長さは,ピラミッド型の相似(三角形の中に底辺と平行な線を引いてできる、大小 2 つの相似な三角形)を使って求めます。
下底 CDは,図の青いピラミッド型の相似から求まります。相似比を使うと,
上底 ABは,図のピンクのピラミッド型の相似から求まります。同じように相似比を使って,
上底 23 cm・下底 43 cm・高さ 4cm の台形なので,面積は,
(答)角ア 45 度、 角イ+角ウ 90 度、 面積 4 cm²
KRONE ポイント
方眼の中の角度は、たてと横のマス数が等しい直角二等辺三角形を見つけると 45 度が見えてきます(「同じマス数の直角三角形=45 度」)。台形の上底・下底は、ピラミッド型の相似で長さをたどるのが急所です。
1 (7)
右の図のような方眼紙があり、点 P ははじめ点 A にあります。さいころを振って、1 または 2 の目が出ると P は右に一目盛り進み、3 または 4 の目が出ると上に一目盛り進みます。5 または 6 の目が出ると P は動きません。さいころを 5 回振って、5 と 6 の目は 1 度も出なかったとき、P が到達する可能性のある点は全部で ① 個あります。また、ふたたび点 A から始めて、さいころを 10 回振ったとき、P が到達する可能性のある地点は全部で ② 個あります。
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前半(5 回振って 5・6 が出なかったとき)
5・6 が出ないので、5 回すべてが「右に進む」か「上に進む」のどちらかです。着く場所は、右に進んだ回数だけで決まります。右に進んだ回数は 0 回・1 回・2 回・3 回・4 回・5 回の 6 通りあり、残りが上に進んだ回数になります。たとえば右に 2 回なら上には 3 回で、着く場所は 1 か所に決まります。
右の回数が 0 回から 5 回まで 6 通りあるので、着く場所も全部で 6 個です。
(答)6 個
後半(10 回振ったとき)
今度は 5・6 が出て「動かない」回もあります。動かない回数を決めると、実際に進む回数が決まります。動かないのが 0 回なら 10 回進み、1 回なら 9 回進み、というように、動かない回数が 1 増えるごとに、進む回数は 1 ずつ減っていきます。
進む回数ごとに、着く場所が何個あるか数えます。前半と同じように、進む回数が □ 回のとき、着く場所は(□ + 1)個です(右の回数が 0 から □ まで選べるから)。しかも、進む回数がちがえば A からのきょりもちがうので、これらの点が重なることはありません。
そこで、進む回数が 10 回のときは着く場所が 11 個、9 回のときは 10 個、8 回のときは 9 個、というように 1 個ずつ減っていきます。進む回数が 0 回(1 度も動かない)のときは、A の 1 個だけです。だから、着く場所は全部で 11 個から 1 個までを足した数になります。
(答)66 個
KRONE ポイント
動く問題は、「途中の通り道」ではなく「最後にどこへ着くか」に注目します。着く場所は右に進んだ回数で決まるので、右の回数を 0 回から順に並べれば、数え落としを防げます。
1 (8)
右の図において、AD は CA の 2 倍、BE は AB の 2 倍、CF は BC の 3 倍です。三角形 ADE の面積が 12cm² のとき、三角形 ABC の面積は ① cm²、三角形 DEF の面積は ② cm² です。
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中央の三角形 ABC の面積を1とおき、その何倍になるかで周りの三角形をとらえます。使うのは、1 つの角を共有する 2 つの三角形は、その角をはさむ 2 辺の倍率をかけた分だけ面積が変わるという性質です。
まず、辺を延長した長さを条件からそろえます。AD は CA の 2 倍です。BE は AB の 2 倍なので、AE = AB + BE は AB の 3 倍になります。CF は BC の 3 倍なので、BF = BC + CF は BC の 4 倍。CD = CA + AD は CA の 3 倍です。
角を 1 つずつ共有させて、外側の 3 つの三角形を1の何倍かで表します。三角形 ADE は角 A を共有し、はさむ 2 辺が AD = 2 倍・AE = 3 倍なので、
三角形 BEF は角 B を共有し、BE = 2 倍・BF = 4 倍なので、
三角形 CFD は角 C を共有し、CF = 3 倍・CD = 3 倍なので、
まず三角形 ABC を求めます。 三角形 ADE は6にあたり、これが 12cm² なので、1にあたる三角形 ABC は、
(答・前半)2 cm²
次に三角形 DEF を求めます。 三角形 DEF は、中央の1と外側の 3 つをすべて合わせたものなので、1を単位にすると 24 倍にあたります。
1= 2cm² だったので、
(答・後半)48 cm²
KRONE ポイント
辺を延長してできる面積は、中央の三角形を1とおき、角を共有する 2 辺の倍率のかけ算で 1 つずつ表すのが急所です。最後に基準の三角形の実際の面積をかければ、cm² に直せます。
1 (9)
A, B, C, D の 4 人がアまたはイから答を 1 つ選ぶクイズをしました。クイズは 5 問で、得点は 1 問につき、正解のとき 1 点、不正解のとき 0 点です。4 人の答と得点は次の表のようになりました。
第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 得点 A ア ア イ ア ア 3 B ア ア ア イ イ 2 C ア イ ア ア ア 1 D イ ア イ ア ア ? このとき、第 1 問の正解は ① で、第 3 問の正解は ② です。また、D の得点は ③ 点です。
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正解を直接は求められないので、仮に決めて矛盾をさがす方法をとります。
第 1 問の正解を考えます。 もし第 1 問の正解が「ア」だったとしましょう。すると、ア以外を答えた人との関係から、C は第 1 問しか合っていないのに他が全部不正解となり、逆に B は 3 問正解しないと表と合わなくなります。ところが B の得点は 2 点なので、これは矛盾です。よって第 1 問の正解は「ア」ではなく、
第 3 問の正解を考えます。 C は 1 問しか正解していません。第 2 問から第 5 問のうち C が正解した 1 問を仮に決めて、他の人の得点と矛盾しないか調べると、条件に合うのは第 4 問が正解のときだけです。すると第 3 問で C が選んだ「ア」は不正解、つまり第 3 問の正解は、
こうして正解を順に確定すると、第 1 問から順に イ、ア、イ、ア、イとなります。
D の得点を数えます。 D の答(イ、ア、イ、ア、ア)を正解(イ、ア、イ、ア、イ)と照らすと、第 1 〜 4 問が正解、第 5 問だけ不正解なので、
(答)第 1 問 イ、 第 3 問 イ、 D の得点 4 点
KRONE ポイント
論理の問題は、答を当てにいくのではなく、1 つ仮定して矛盾をさがすのが定石です。矛盾が出たら反対に決まり、消去法で 1 つずつ確定させていけます。
この問題から学ぶこと
大問 1 の後半が教えてくれるのは、条件をどう自分の言葉に置きかえるかが勝負を分けるということです。角度は「同じマス数の直角三角形=45 度」、場合の数は「最後にどこへ着くかの組」、面積比は「底辺◯倍で面積◯倍」、論理は「仮定して矛盾をさがす」。分野はちがっても、与えられた条件を手を動かせる形に翻訳する、という姿勢は共通しています。
前半の計算問題が「速く正確に処理する力」なら、後半は「初めて見る条件を、その場で整理する力」です。この 2 つがそろって、はじめて入試本番で安定して得点できます。
クローネ学園での指導
クローネ学園では、後半のような思考力問題を「解き方の暗記」で乗り切らせません。角度なら「どの三角形に注目したか」、論理なら「どこを仮定したか」を、自分の言葉で説明できるまで確認します。初めて見る問題に出会っても、条件を整理して手を動かし始められる——その力を、一問一問の対話を通して育てています。
前半の計算力とあわせて鍛えたい方は、愛光中2010 大問1前半の解説もご覧ください。
角度・場合の数・面積比・条件整理の解き方(まとめ)
- 方眼の角度は、たて横のマス数が等しい直角二等辺三角形(45 度)を手がかりにする
- 動く点の場合の数は、道すじでなく「最後の到達点の組」でもれなく数える
- 辺を延長した面積比は、部分の三角形を「底辺◯倍・高さ◯倍」で 1 つずつ足す
- 論理の問題は、1 つ仮定して矛盾をさがし、消去法で確定させる
クローネ学園では、中学受験を目指す小学生の算数・国語の指導を行っています。 高松市で中学受験対策の学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。
本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
Index
大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
辺を延長してできる三角形の面積比はどう求めますか?
「底辺が何倍になったか」を1辺ずつ追いかけます。(8)では、三角形ABCを土台にして、まわりにできる3つの三角形(DBA・EFB・DCF)を、それぞれ底辺と高さの倍率から求めます。三角形は底辺を◯倍すると面積も◯倍になるので、辺の倍率がそのまま面積の倍率になります。全体からではなく、部分の面積を1つずつ足していくのがコツです。
さいころで点が動く場合の数はどう数えますか?
(7)では、点Pが「右にいくつ・上にいくつ進んだか」の組み合わせで到達点が決まります。5と6が出なかったので、右に進む回数と上に進む回数の合計が振った回数になります。到達できる点は(右の数、上の数)の組でもれなく並べれば数えられます。移動そのものではなく、最後にどこへ着くかの組み合わせに注目するのがポイントです。
クイズの正誤を当てる条件整理の問題はどう解きますか?
(9)では、まず1つの問いの正解を仮に決めてしまい、条件に矛盾が出ないか確かめます。第1問をアと仮定すると、ある人が全問不正解・別の人が3問正解となり、得点表と合いません。だからアではなくイ、と決まります。仮定して矛盾を見つけ、消去法で確定させるのが論理の問題の基本です。
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