愛光中2010 大問4|お金のやりとりを比と表で整理する解き方
愛光中学校2010年度(平成22年度)算数の大問4を解説。A・B・C・Dの4人がお金をやりとりして最後に全員同じ額になる問題を、最後から逆算し、比(丸数字)と割合(四角数字)を表で整理して解きます。高松市の学習塾クローネ学園。
この問題について
愛光中学校 2010 年度(平成 22 年度)の大問 4 は、A・B・C・D の 4 人がお金をやりとりして、最後に全員が同じ額になる問題です。やりとりが何段階もあり、前から順に追うと式が複雑になります。そこで、最後の「全員同じ」から逆算し、比(丸数字)と割合(四角数字)を一つの表にまとめて整理していきます。
同じ年度のほかの問題は大問1前半・大問1後半・大問2(速さ)・大問3(分数の数列)の解説もあわせてご覧ください。この記事では次のことをあつかいます。
- お金のやりとりを逆算で整理する考え方
- 比(丸数字)と割合(四角数字)を表にまとめる技術
- 差の条件から実際の金額を求める橋渡し
愛光中(2010)4
A, B, C, D の 4 人がはじめいくらかずつのお金を持っていて、B は C よりも 250 円多く持っていました。まず、A は所持金の 17 を D に、B は所持金の 119 を C にあげました。次に、A は C に、B は D にそれぞれ残りの所持金の 16 をあげました。さらに、A は B に、残りの所持金の 15 をあげたところ、4 人の所持金はすべて同じになりました。このとき、次の問いに答えなさい。
- (1)A と B のはじめの所持金の比を、もっとも簡単な整数の比で表しなさい。
- (2)A のはじめの所持金は何円ですか。
- (3)D のはじめの所持金は何円ですか。
難易度: ★★★☆☆ 分野: 割合と比・お金のやりとり・逆算 目安時間: 8分
まず、やりとりを整理します。A と B は「あげる」側で所持金が減り、C と D は「もらう」側で増えます。段階は次の 3 回です。
- 1 回目:A は所持金の 17 を D に、B は所持金の 119 を C に
- 2 回目:A は残りの 16 を C に、B は残りの 16 を D に
- 3 回目:A は残りの 15 を B に
4 (1)
A と B のはじめの所持金の比を、もっとも簡単な整数の比で表しなさい。
答え・解説を見る
A のはじめを 7、B のはじめを 19 とおいて、やりとりを上から順に 1 枚の表にまとめます。
| A | B | C | D |
|---|---|---|---|
| 7 | 19 | △ | ☆ |
| 6 | 18 | △ + 1 | ☆ + 1 |
| 5 | 15 | △ + 1 + 1 | ☆ + 1 + 3 |
| 4 | 15 + 1 | △ + 1 + 1 | ☆ + 1 + 3 |
最後は 4 人とも同じなので、4 = 15 + 1 より
(答)35:19
4 (2)
A のはじめの所持金は何円ですか。
答え・解説を見る
(1) から A:B = 35:19。A を 35、B を 19 とおいて、同じように表で整理します。最後は全員同じ 20 です。
| A | B | C | D |
|---|---|---|---|
| 35 | 19 | △ = 14 | ☆ = 12 |
| 30 | 18 | △ + 1 | ☆ + 5 |
| 25 | 15 | △ + 6 = 20 | ☆ + 8 = 20 |
C は最後 20 で、もらった分が 6(=1+5)なので、はじめは 20 − 6 = 14。B のはじめ 19 との差が、実際の 250 円です。
だから A のはじめ 35 は、
(答)1750 円
4 (3)
D のはじめの所持金は何円ですか。
答え・解説を見る
(2) の表の D の列から、D のはじめは 20 − 8 = 12。1 = 50 円だったので、
(答)600 円
この問題から学ぶこと
大問 4 の核心は、**複雑なやりとりは「結果から逆算」して「比と割合を表にまとめる」**ことです。前から順に「いくら渡した」を追うと数がどんどん増えて混乱しますが、最後に全員そろう額を 20 とおき、そこからもらった分・あげた分をさかのぼれば、一つの表で全員の動きが見えます。
もう一つの大切な技術が、比(丸数字)と実数の橋渡しです。比だけでは実際の金額は出ません。「B は C より 250 円多い」という一つの条件が、割合 5 = 250 円という橋になり、そこから全員の金額が決まります。どの条件が「比を実数に変える橋」なのかを見抜くことが、割合と比の問題の分かれ目です。
クローネ学園での指導
クローネ学園では、こうしたやりとりの問題を「いきなり式を立てる」のではなく、まず表の枠を作り、丸数字と四角数字でどこに何が入るかを決めるところから指導します。表の形が決まれば、あとは引き算でさかのぼるだけ。「どの数を基準の比におくか」「どの条件が実数への橋か」を自分で判断できる力を育てます。
思考力を育てる指導のポイント: 答えの金額より「なぜ最後から戻すのか」「なぜその条件で実数に変わるのか」を説明できることを重視します。表で整理する型を持てば、初めて見るやりとりの問題も落ち着いて崩せます。
お金のやりとり・比の整理のまとめ
- 4 人のやりとりは、A・B・C・D を横に、時間を縦にした 1 枚の表で整理する
- A は 7、B は 19 のように、減り方がきれいになる数を単位におく
- 最後に全員そろうところで等式(4=15+1)を作り、丸と四角をつなぐ
- 差の条件(ここでは 250 円)が、比を実際の金額に変える橋になる
同じ年度のほかの問題は大問1前半・大問1後半・大問2・大問3の解説もあわせてご覧ください。
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本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
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大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
お金のやりとりの問題は、どこから考えればよいですか?
「最後に全員同じ額になった」という結果から逆算するのが基本です。最後の状態をそろった数(この問題では4人とも同じ)とおき、やりとりを一つずつ逆にたどると、各人のはじめの所持金を比で表せます。前から順に追うより、結果から戻すほうが式がすっきりします。
比(丸数字)と割合(四角数字)はどう使い分けますか?
「Aの所持金を⑦とする」のように全体を比の丸数字でおき、そこから1/7・1/6などをやりとりした量を四角数字で表すと、増減が一つの表で追えます。この問題ではAを⑦→⑥→⑤→④と減らし、もらう側のC・Dは受け取った四角数字を足していきます。丸数字と四角数字を混ぜて表に並べるのがコツです。
「BはCより250円多い」という条件はどこで使いますか?
比で整理して、AやCのはじめの所持金を数(割合)で表したあとに使います。この問題ではBとCのはじめの所持金の差が割合で5にあたり、それが実際の250円。だから割合1あたり50円とわかり、A=35は1750円、D=12は600円と実際の金額が求まります。比→実数の橋渡しが差の条件です。
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