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13算数中学受験

愛光中2010 大問3|分数の数列と約分・かけ算の規則を解説

愛光中学校2010年度(平成22年度)算数の大問3を解説。ある規則で並ぶ分数の数列から、約分できる番号、約分できない分数だけを並べたときの50番目、そのかけ算までを、規則性と約分の見方で一つずつていねいに。高松市の学習塾クローネ学園。

この問題について

愛光中学校 2010 年度(平成 22 年度)の大問 3 は、ある規則で並ぶ分数の数列をあつかう問題です。分数がどんな決まりで並んでいるかを読みとり、約分・番号さがし・かけ算へと進んでいきます。4 つの小問は、数列の「分子と分母の関係」という一つの見方を、少しずつ角度を変えて使う形になっています。数を一つずつ書き出して規則をつかむことが、すべての小問の出発点です。

同じ年度のほかの問題は大問1前半大問1後半大問2(速さ)の解説もあわせてご覧ください。この記事では次のことをあつかいます。

  • 分数の数列の並び方の読みとり
  • 約分できる分数・できない分数の見分け
  • 規則で並ぶ分数のかけ算

愛光中(2010)3

ある規則にしたがって分数が下のように並んでいます。

172839410511612713,……

難易度: ★★★★☆  分野: 数列・規則性・約分・分数のかけ算  目安時間: 15分

まず、この数列の決まりを読みとります。分子は 1, 2, 3, … と 1 ずつ増え、分母は 7, 8, 9, … と 1 ずつ増えます。どの分数も分母は分子より 6 大きい(分子と分母の差がいつも 6)という関係になっています。


3 (1)

約分すると 2931 になる分数は何番目ですか。

答え・解説を見る

もとの数列の分数は、分子と分母の差がいつも 6 です。だから、2931 の差が 6 になるまでもどせば、もとの分数が見つかります。

31292から、1 = 3 なので

29318793

(答)87 番目

KRONE ポイント

分数は 分子:分母 という比を表しています。


3 (2)

上のように並んだ分数の中から、それ以上約分できないものだけを取り出して、順に並べます。最初の 10 個を書きなさい。

答え・解説を見る

いくつか書き出して規則性を調べます。 (3) を見ると50番目を求める問題なので必ず規則性が隠れているはずです。 (2) は既約分数に注目させているので、既約分数の出現パターンに注目して規則性を見つけます。

分子123456789101112
分母789101112131415161718

分子が 2 の倍数(2, 4, 6, 8, 10, 12…)や 3 の倍数(3, 6, 9, 12…)のところは約分できてしまうので消えます。残るのは色をつけた列、6 個ごとに 2 個ずつです。分子でいうと 1, 5 / 7, 11 / 13, 17 / … と続きます。

それぞれ分母は分子より 6 大きいので、約分できない分数を順に並べると、

175117131117131917231925232925312935

(答)上の 10 個

KRONE ポイント

問題全体の流れから誘導に乗る練習をしましょう。


3 (3)

(2) で並べた分数のうち、50 番目の分数は何ですか。

答え・解説を見る

50 番目を求めるのに、50 個ぜんぶ書き出すのは無理があります。こういう問題は、必ず規則があるという合図です。だから規則を見つけるために、まず数個を書き出します。しかも (1)・(2) が「約分」の問題だったので、約分できない分数の分子だけに目をつけます(分母は分子より 6 大きいと決まっているので、分子さえ追えば分数は決まります)。

(2) で見たとおり、約分できない分数の分子は 6 ずつのまとまりに 2 個ずつあらわれます。この 2 個を 1 セットとして番号をふり、表にすると規則が見えます。

セット1 個2 個
15
711
1317
??

1 セット進むごとに 6 ずつ増えます。1 セットに 2 個なので、50 番目は、

50 ÷ 2 = 25 → ㉕ セットの 2 個

㉕ セットは ① から 24 セット進んだところ。2 個目(各セットの大きいほう)は ① で 5 だったので、6 を 24 回足して、

分子 = 5 + 6 × 24 = 149

分母は分子より 6 大きいので 149 + 6 = 155。したがって 50 番目の分数は、

(答)149155

KRONE ポイント

2 個で 1 セットにまとめるのがコツです。番号を 2 でわれば「何セット目の何個目か」がわかり、あとは 6 ずつ増えることから分子を計算で出せます。全部書き出さなくても、遠い番号にとどきます。


3 (4)

(2) で並べた分数のうち、1 番目から 50 番目までの分数をすべてかけるといくらになりますか。

答え・解説を見る

50 個の分数をまともにかけるのは大変です。ここで、約分できない分数の並びを表にして、分子と分母を上下でながめます。

番号12345
分子1571113
分母711131719

色をつけたところを見ると、ある分数の分母が、2 つ先の分数の分子と同じです(1 番目の分母 7 = 3 番目の分子 7、2 番目の分母 11 = 4 番目の分子 11)。かけ算では同じ数の分母と分子が約分で消えるので、この同じ数どうしが次々に消し合います。

消し合ったあとに何が残るかを、表で確かめます。

残るもの消えるもの
分子1・2 番目(1 と 5)3 番目以降は 2 つ前の分母と消える
分母49・50 番目48 番目までは 2 つ先の分子と消える

残る分子は 1 番目・2 番目の 1 と 5。残る分母は 49・50 番目で、これは「2 つ先」の 51・52 番目の分子と同じ数です。51・52 番目は (3) のセットの数え方で 26 セット目にあたるので、

51 番目の分子 = 1 + 6 × 25 = 151
52 番目の分子 = 5 + 6 × 25 = 155

なので、後ろに残る分母は 151 と 155 です。したがって、すべてのかけ算は、

(かけた答え)= 1 × 5151 × 15552340514681

(答)14681

KRONE ポイント

数の多いかけ算は、分子と分母を表に並べて「同じ数がどこにあるか」を目で探すのが急所です。分母が 2 つ先の分子と同じ、と見えた瞬間に、消える対と残るものが一目でわかります。


この問題から学ぶこと

大問 3 が教えてくれるのは、分数の数列は「分子と分母の関係」を一つつかめば、その先すべてに使えるということです。この問題では「分母は分子より 6 大きい」という一点が、(1) の約分、(2) の約分の可否、(3) の周期、(4) のかけ算の消え合い、すべての土台になっています。

数が大きくなっても、規則さえつかめば書き出さずに計算で追えます。特に (4) の「となりと約分で消える」形は、たくさんの分数のかけ算でくり返し出てくる大切な見方です。


クローネ学園での指導

クローネ学園では、規則性の問題を「答えの公式を覚える」のではなく、まず自分の手で数個書き出して、決まりを言葉にするところから指導します。「分母は分子より 6 大きい」「約分できないのは分子が 2 でも 3 でもわれないとき」——この一言を自分で見つけられるかが、初めて見る数列に立ち向かう力になります。

計算や約分の反復には、登録不要・無料で使えるクローネらぼの計算ドリルが役立ちます。手を動かして数の感覚を育てることが、規則を見抜く力につながります。


分数の数列・規則性の解き方(まとめ)

  • 数列はまず数個書き出し、分子と分母の関係(ここでは差が 6)をつかむ
  • 約分の問題は分子と分母の「差」に注目する
  • 約分できないのは分子が 6 と互いに素なとき(2 でも 3 でもわれない)
  • 約分できない分子は 6 のまとまりに 2 個ずつ=周期で数えられる
  • 分母が「2 つ先の分子」と同じなら、かけ算はとちゅうが約分で消える

同じ年度のほかの問題は大問1前半大問1後半大問2の解説もあわせてご覧ください。


クローネ学園では、中学受験を目指す小学生の算数・国語の指導を行っています。 高松市で中学受験対策の学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。

本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)

Index

大問ごとの解説

FAQ

よくある質問

約分すると別の分数になるのは、元の分数がどんなときですか?

分子と分母の差に注目します。この数列は分母が分子より6大きい(差が6)ので、約分後の分数の「分子と分母の差」を6にするには何倍すればよいかを考えます。(1)では29/31(差2)を3倍すると差が6になり、87/93=分子87番目とわかります。差が手がかりになる、という約分の見方が鍵です。

分数が約分できるか・できないかは何で決まりますか?

分子と分母が「1以外の共通の約数を持つか」で決まります。分母が分子より6大きいので、分子が6と共通の約数(2や3)を持つと約分できてしまいます。つまり約分できないのは分子が6と互いに素なとき。(2)はこの見方で、約分できない分数だけを並べています。

たくさんの分数のかけ算はどう計算しますか?

(4)では50個の分数をすべてかけますが、まともに計算する必要はありません。分母が分子の「2つ先」と同じ数になっているため、となり合う分数で約分が次々に起こり、最初と最後のごく一部だけが残ります。この『次々に消える』かけ算の見方を使うと、答えは1/4681と一気に求まります。

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