開智中学2025年 算数大問2 解説|速さの比とコースの長さを比でつなぐ
開智中学2025年度の算数・大問2(過去問)を1問ずつ解説。ロードレースの速さの比から、コースの各辺の長さの比、加速後の速さの比まで、中学受験の「速さの比」と「図形の比」を橋渡しする問題を高松の塾長が丁寧に説明します。
この問題について
この記事で扱うのは,開智中学2025年度入試の算数・大問2「ロードレースと速さの比」の問題です。公園の周りの凸型コースを走る2人の速さの比から出発して,コースの各辺の長さの比,さらに加速後の速さの比までを,すべて「比」でつないでいきます。中学受験で差がつく「速さの比」と「図形の比」の融合問題です。高松市で開智中学をはじめ難関中の受験算数を指導している塾長が,本番で使える考え方まで掘り下げて解説します。
この記事では以下を確認します。
- 同じ道のりでの速さの比の求め方(逆比)
- 速さの比を道のりの比に読みかえて辺の長さを求める方法
- コースXとコースYの差から出っぱりの辺を求める考え方
- 加速後の速さの比の出し方
開智中学(2025)大問 2
太郎さんと次郎さんが公園の周りでロードレースをすることになりました。公園の周りは,上の図の地点 A→B→C→D→E→F→G→A の順で走るコース X と,地点 A→B→C→F→G→A の順で走るコース Y があります。DE:FG=3:4 です。コース X を 1 周するのに太郎さんは 10 分かかり,次郎さんは 13 分かかります。
(1)太郎さんと次郎さんの速さの比は何対何ですか。
ロードレースの 1 戦目は地点 A から同時に出発し,太郎さんはコース X を,次郎さんはコース Y を走ります。太郎さんが地点 C に着いたとき,次郎さんは地点 B と地点 C のちょうど真ん中の地点にいました。太郎さんと次郎さんは地点 A に同時に到着しました。
(2)AB と BC の長さの比は何対何ですか。
(3)AG と FE の長さの比は何対何ですか。
ロードレースの 2 戦目も地点 A から同時に出発し,太郎さんはコース X を,次郎さんはコース Y を走ります。2 戦目の太郎さんは次郎さんが地点 F を通過すると同時に加速しました。そのため,太郎さんは地点 G で次郎さんを追い抜きました。
(4)加速した後の太郎さんと次郎さんの速さの比は何対何ですか。
難易度: ★★★★☆ 分野: 速さの比・図形の比 目安時間: 15分
2(1)
太郎さんと次郎さんの速さの比は何対何ですか。
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2 人が走るのは,どちらも同じコース X です。同じ道のりを走るとき,速さの比はかかった時間の逆比になります。速い人ほど時間が短くてすむからです。
太郎さんは 10 分,次郎さんは 13 分かかるので,時間の比は 。速さはこれをひっくり返した逆比なので,
(答) 13 : 10
KRONE ポイント
「同じ道のり → 速さと時間は逆比」。速さの比の問題は,まず何が同じかを見つけるのが第一手です。ここでは道のり(コース X)が同じでした。
2(2)
ロードレースの 1 戦目は地点 A から同時に出発し,太郎さんはコース X を,次郎さんはコース Y を走ります。太郎さんが地点 C に着いたとき,次郎さんは地点 B と地点 C のちょうど真ん中の地点にいました。太郎さんと次郎さんは地点 A に同時に到着しました。
このとき,AB と BC の長さの比は何対何ですか。
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太郎さんも次郎さんも,A から C までは同じ道 A→B→C を走ります。同時に出発して同時に走っているので,2 人が進んだ道のりの比は,速さの比 に等しくなります。そこで,太郎さんが C に着くまでに進んだ道のりを13,そのとき次郎さんが進んだ道のりを10とおきます。
2 人とも A→B→C を走り,太郎さんは C(= AB + BC)まで進みました。次郎さんは BC の真ん中にいたので,太郎さんより「BC の半分」だけ手前にいます。つまり,太郎さんと次郎さんの道のりの差13 - 10 = 3が,BC の半分にあたります。だから BC は,
AB は,太郎さんの道のり13から BC をひいて,
よって AB : BC = 7 : 6 です。
(答) 7 : 6
KRONE ポイント
「同時に走る 2 人の道のりの比 = 速さの比」。太郎さんを13,次郎さんを10とおくと,その差3がちょうど「BC の半分」。方程式を立てなくても,引き算だけで BC も AB も出せます。
2(3)
AG と FE の長さの比は何対何ですか。
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まず,(2) までにわかった辺の長さを図に書きこみます。 なので,長方形 AGCB の向かい合う辺が等しいことから 7,6とおけます。上辺 G→F→C は一直線で 7,しかも問題文の と (小さい長方形の向かい合う辺)から 。合わせて 3,4です。
次郎さんのコース Y(A→B→C→F→G→A)の 1 周の長さは,
2 人は最後に地点 A に同時に到着しました。同じ時間なので,太郎さんと次郎さんの走った道のりの比は速さの比 です。次郎さんの 1 周が26なので,太郎さんのコース X の 1 周は,
太郎さんと次郎さんの 1 周の差は,
このちがいは,太郎さんだけが通る出っぱり C→D→E→F にあります。次郎さんは点線 CF でまっすぐ進むのに対し,太郎さんは CD・DE・EF と回るので,差はちょうど CD と EF の 2 本ぶん(どちらも小さい長方形のたての辺で長さは等しい)です。だから CD 1 本は,
求めるのは AG と FE の比です。FE も CD と同じたての辺なので FE =3.9,AG =6なので,
(答) 20 : 13
KRONE ポイント
辺を丸数字で入れて次郎さんの 1 周26を出せば,太郎さんの 1 周は26× 13/10 で一発。X と Y の差が「たての辺 2 本ぶん」と気づけば,7.8を 2 でわるだけで FE が出ます。
2(4)
ロードレースの 2 戦目も地点 A から同時に出発し,太郎さんはコース X を,次郎さんはコース Y を走ります。2 戦目の太郎さんは次郎さんが地点 F を通過すると同時に加速しました。そのため,太郎さんは地点 G で次郎さんを追い抜きました。
加速した後の太郎さんと次郎さんの速さの比は何対何ですか。
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(3) で求めた長さを使います。ただし (3) のままだと FE が 3.9 と小数になって計算がしづらいので,すべての辺を 10 倍して整数にします。四角で囲んだ数で表すと,AB=70,BC=GA=60,CF=DE=30,FG=40,たての辺 CD=FE=39です。
まず,次郎さんが F を通過する瞬間を考えます。加速はここから始まるので,それまでは 2 人とも 1 戦目と同じ速さ(太郎 13,次郎 10)です。次郎さんが F に着くまでに走った道のりは,コース Y にそって,
同じ時間に走るので,太郎さんは次郎さんより の割合で多く進みます。太郎さんが多く進んだぶんは,
つまり太郎さんは160 + 48 = 208進んでいます。太郎さんのコース X で位置を調べると,C まで130,D まで169,E まで199,F まで238。太郎さんの208は E(199)と F(238)の間,つまりまだ F の手前にいます。
次に,加速してから地点 G で追いつくまでを考えます。太郎さんが G に着くまでに走る道のりは,G までの278(=238 + 40)から,いまいる208を引いて,
いっぽう次郎さんは,F を通過してから G まで FG=40を走ります。太郎さんと次郎さんは G で追いついた(同時に G に着いた)ので,この 2 つを同じ時間で走ったことになります。同じ時間に進んだ道のりの比が,そのまま速さの比なので,
(答) 7 : 4
KRONE ポイント
FE が小数になるときは,全部を 10 倍して整数(四角囲み)にすると計算がらくになります。「太郎さんが多く進んだぶん = 全体 」で加速開始の位置をおさえ,そこから G までと,次郎さんの F→G を同じ時間で比べれば,速さの比が出ます。
この問題から学ぶこと
この大問が教えてくれるのは,速さの比は「何が同じか」を見つけて使うということです。(1) は道のりが同じだから時間の逆比,(2)(4) は時間が同じだから道のりの比=速さの比,(3) はコースの差を FE でとらえる。使っている道具はずっと「同じもの(道のり・時間)を見つけて比でつなぐ」の一つだけです。速さと図形が混ざっていても,比の関係を 1 本ずつ立てていけば必ず崩せます。
クローネ学園での指導
クローネ学園では,速さの比を「逆比だから」と丸暗記させるのではなく,なぜ逆比になるのかを線分図で子ども自身に確かめさせます。理由から入るので,この大問のように速さと図形が入り組んだ問題でも,「ここは道のりが同じ」「ここは時間が同じ」と自分で場合を見分けて式を立てられるようになります。
先取り・飛び級指導のポイント: 融合問題で差がつくのは,知識の量ではなく「同じ道具を場面ごとに使い分ける力」です。速さの比という 1 つの道具を,道のりが同じとき・時間が同じときで使い分ける練習を積めば,初見の融合問題にも動じなくなります。
高松市で中学受験算数を本格的に学びたい方は,ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
- 開智中2025大問2は,速さの比と図形の比を橋渡しする融合問題
- (1)は同じ道のりなので速さは時間の逆比で 13:10
- (2)は同時に走る 2 人の道のりの比=速さの比から AB:BC=7:6
- (3)はコース X と Y の差が FE×2 であることを使って AG:FE=20:13
- (4)は加速地点と地点 G をおさえ,同じ時間の道のりの比で 7:4
クローネ学園では,最難関中・医学部を目指す算数・数学の個別指導を行っています。 高松市で小学生向けの学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。
本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
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大問ごとの解説
FAQ
よくある質問
同じ道のりを走るときの速さの比はどう求めますか?
同じ道のりなら、速さの比はかかった時間の逆比になります。開智中2025大問2(1)では、コースXを太郎さんは10分、次郎さんは13分で走るので、速さの比は時間の逆比で13対10です。「同じ道のり → 速さと時間は逆比」は速さの比の第一手です。
速さの比から図形の辺の長さの比を求めるにはどうしますか?
同じ時間に進んだ道のりの比は、速さの比に等しくなります。開智中2025大問2では、太郎さんと次郎さんが同時に走ったときの位置から、コースの各辺(ABとBC、AGとFEなど)の長さを比の式でつなぎます。速さの比を道のりの比に読みかえるのが、速さと図形をつなぐ橋渡しです。
この大問は何年生から解けますか?
速さの比・逆比は小6の受験学習で扱います。クローネ学園では、公式の丸暗記ではなく「なぜ逆比になるか」を線分図や具体例で確かめる指導をしているため、比の考え方を早めに身につけた生徒は、速さと図形が混ざったこうした融合問題にも落ち着いて取り組めます。
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