育英西中学2019 問題3|電光掲示板の数字と周期(規則性)
育英西中学(2019年度・A日程)算数 大問3の解説。各位が別々の周期でくり返す電光掲示板の数字を、周期と最小公倍数の考え方で追っていきます。
この問題について
育英西中学(2019 年度・A 日程)算数の大問 3 は、百の位・十の位・一の位がそれぞれ別の周期でくり返す電光掲示板の問題です。周期と最小公倍数 を使う規則性です。
この問題の急所は、各位の周期が 2・3・5 なので、その最小公倍数 30 秒で表示全体が 1 周する ことです。つまり最初の 30 個だけ書き出してしまえば、あとはそれがくり返す 群数列 として、(1) 〜 (5) すべてを同じ 1 枚の表から読み取れます。この記事では、まずその 30 個の表を作り、各問いをそこから解いていきます。
育英西中学(2019)問題 3
図のような 3 けたの数を表示する電光掲示板があり,1 秒ごとに百の位,十の位,一の位の数字がすべて変わる。
百の位の表示は 5, 1, 5, 1, 5, 1, … とくり返される。
十の位の表示は 3, 5, 1, 3, 5, 1, 3, 5, 1, … とくり返される。
一の位の表示は 2, 3, 4, 5, 1, 2, 3, 4, 5, 1, … とくり返される。電光掲示板は最初何も表示されておらず,スイッチを入れてから 1 秒後に表示される 3 けたの数は 532 である。このとき,次の問いに答えなさい。
まず 30 秒ぶんを書き出す
各位の周期は、百の位が 2、十の位が 3、一の位が 5 です。3 つが同時にスタートの並びにもどるのは、2 と 3 と 5 の最小公倍数の秒後なので
つまり 30 秒たつと表示全体がはじめにもどり、31 秒後は 1 秒後と同じ 532 になります。31 秒目から先は同じ並びのくり返し(群数列)なので、最初の 30 個さえ書き出せば、この大問はすべてこの表から答えられます。
| 秒後 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 〜 5 | 532 | 153 | 514 | 135 | 551 |
| 6 〜 10 | 112 | 533 | 154 | 515 | 131 |
| 11 〜 15 | 552 | 113 | 534 | 155 | 511 |
| 16 〜 20 | 132 | 553 | 114 | 535 | 151 |
| 21 〜 25 | 512 | 133 | 554 | 115 | 531 |
| 26 〜 30 | 152 | 513 | 134 | 555 | 111 |
各行が 5 秒ぶんで、左の列から順に読みます(1 行目は 1・2・3・4・5 秒後、2 行目は 6・7・8・9・10 秒後…)。以下の各問いは、この表を見て答えていきます。
問題 3 (1)
はじめて 3 けたの数が 3 で割り切れるのは,スイッチを入れてから何秒後か求めなさい。
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表の先頭から、3 で割り切れる数を探します。3 で割り切れるかは 各位の数字の和 が 3 の倍数かで分かります。
1 秒後の 532 は和が で 3 の倍数ではありません。2 秒後の 153 は
で 9 は 3 の倍数なので、153 は 3 で割り切れます。だから、はじめて 3 で割り切れるのは 2 秒後です。
(答) 2 秒後
KRONE ポイント
3 で割り切れるかは 各位の数字の和 が 3 の倍数かで判定できます。大きな数でもわり算せずに、表の数を上から確かめるだけで見つかります。
問題 3 (2)
はじめて 3 けたの数が 11 で割り切れるのは,スイッチを入れてから何秒後か求めなさい。
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表の先頭から、11 で割り切れる数をさがします。1 〜 7 秒後(532・153・514・135・551・112・533)はどれも 11 で割り切れません。
8 秒後の 154 は
で 11 で割り切れます。それより前に 11 で割り切れる数はないので、はじめては 8 秒後です。
(答) 8 秒後
KRONE ポイント
規則的に変わる数は、先に作った表を上から確かめる だけで割り切れる数が見つかります。毎回ゼロから書き出さず、1 枚の表を使い回すのがコツです。
問題 3 (3)
3 けたの数の各位の数字がすべて異なるのは,スイッチを入れてから 10 秒間に何回あるか求めなさい。
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表の 1 〜 10 秒後を見て、各位の 3 つの数字がすべて異なるものを数えます。1 〜 10 秒後の表示は
このうち 3 つともちがうのは、532・153・514・135・154 の 5 回 です(551・112・533・515・131 はどれも同じ数字を 2 つふくむので除きます)。
(答) 5 回
KRONE ポイント
「すべて異なる」を数える問題も、作った表の中から拾うだけ。同じ数字が混じっていないかを 1 つずつ確かめると、数えもれが防げます。
問題 3 (4)
はじめて 3 けたの数の各位の数字がすべてそろうのは,スイッチを入れてから何秒後か求めなさい。
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各位がすべて同じ数字(ぞろ目)になる秒を、表から探します。30 個の中でぞろ目になっているのは、29 秒後の 555 と 30 秒後の 111 の 2 つだけです。早いのは 29 秒後なので、はじめてそろうのは 29 秒後です。
なぜ 1 と 5 だけがそろうのかというと、3 つの位に共通して出る数字が 1 と 5 しかないからです。表を見ると、ぞろ目は確かにこの 2 か所にしか現れません。
(答) 29 秒後
KRONE ポイント
ぞろ目になるのは 各位に共通して出る数字 がそろう瞬間。共通する数字は 1 と 5 だけなので、表のぞろ目も 2 か所だけ。表を作っておけば、探すだけで早い方が選べます。
問題 3 (5)
3 けたの数が 111 となるのは,スイッチを入れてから 30 秒後,60 秒後,90 秒後,…となる。その理由を答えなさい。
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これは、はじめに作った表が 30 秒で 1 周する ことそのものの理由です。111 になるには百・十・一の位がすべて 1 でなければなりません。
百の位は 5・1 の 2 つ周期 で、1 になるのは偶数秒後。十の位は 3・5・1 の 3 つ周期 で、1 になるのは 3 の倍数の秒後。一の位は 2・3・4・5・1 の 5 つ周期 で、1 になるのは 5 の倍数の秒後。3 つが同時に 1 になるのは、2 と 3 と 5 の 最小公倍数 の秒後です。
だから 30 の倍数の秒後、つまり 30 秒後・60 秒後・90 秒後・… に 111 が表示されます。表が 30 秒ごとにくり返す(31 秒後 = 1 秒後)のも、これと同じ理由です。
(答) 百の位・十の位・一の位が 1 になる周期がそれぞれ 2・3・5 で、3 つが同時に 1 になるのは 2・3・5 の最小公倍数の 30 の倍数の秒後だから。
KRONE ポイント
複数のくり返しが 同時にそろう タイミングは、周期の最小公倍数で決まります。2・3・5 の最小公倍数 30 が、3 つの位がそろう周期であり、表全体が 1 周する周期でもあります。
この問題から学ぶこと
この大問が教えてくれるのは、各位がばらばらの周期でくり返す問題でも、周期の最小公倍数のぶんだけ書き出せば、あとはそれがくり返す群数列になる ということです。
- まず各部分の周期を確かめ、その 最小公倍数 が全体の 1 周期になる
- 1 周期ぶん(この問題では 30 個)を書き出してしまえば、表 1 枚ですべての問いに答えられる
- 割り切れる・ぞろ目・すべて異なる、どれも表から探すだけ
- 何十秒・何百秒先も、30 で割った余りを見れば同じ表の中の数に対応する
一つずつ書き出すのは大変に見えますが、1 周期ぶんで止めてよい と気づくと、ぐっと見通しがよくなります。
クローネ学園での指導
クローネ学園では、周期の問題を、まず数項を書き出して「何個でくり返すか」を自分の目で見つけ、どこまで書けば 1 周するか(最小公倍数) を見きわめる練習から指導しています。
公式やパターンを丸暗記させるのではなく、自分の手で 1 周期ぶんを書き出して確かめた経験を土台にすること。「ここで止めてよい」と自分で判断できる力こそ、初めて見る問題にも立ち向かえる力になると考えています。
まとめ
- 育英西中学 2019 問題 3 は、各位が別の周期でくり返す電光掲示板の 周期・群数列
- 各位の周期 2・3・5 の最小公倍数 30 で全体が 1 周するので、最初の 30 個を書き出せば 1 枚の表ですべて解ける
- (1)2 秒後、(2)8 秒後、(3)5 回、(4)29 秒後、(5)30 の倍数の秒後(30・60・90…)
- 「1 周期ぶんで止めてよい」と気づくのが、この手の問題の最大の急所
クローネ学園では、規則性・周期の個別指導を行っています。 無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。
本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
FAQ
よくある質問
くり返しのある問題は、どう考えればよいですか?
それぞれが何個ごとにくり返すか(周期)をまず確かめます。複数のものが同時にそろうタイミングは、周期の最小公倍数で決まります。何秒後かを直接さがすより、周期で割った余りに注目すると、表示される数字を計算で追えます。
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