中2数学・連立方程式を1次方程式の延長としてわかりやすく攻略する
「文字が2つになると解けない」という中2生へ。連立方程式を、1次方程式の延長として「文字を1つ消す」発想から理解し、加減法・代入法・検算までをつまずきやすいポイントに絞ってわかりやすく解説します。
この記事でわかること
「文字が だけのときは解けたのに, と の2つになったとたん手が止まる」——連立方程式は,中2生がつまずきやすい単元の一つです。新しい解き方をいくつも覚えないといけない気がして,身構えてしまう人が多いところです。
ですが,連立方程式はまったく新しい単元ではありません。中1で習った1次方程式の,すなおな延長です。やることをひとことで言えば,「文字を1つ消して,1次方程式に持ち込む」。これだけです。この記事では,次のことを解説します。
- なぜ式が2つ必要なのか
- 文字を1つ消すという,連立方程式の中心となる発想
- 加減法・代入法の使い分けとやり方
- 答えを自分で確かめる検算のしかた
中1の1次方程式がまだあいまいな人は,先に1次方程式の記事を読んでおくと,この記事がぐっと分かりやすくなります。
なぜ式が2つ必要なのか
まず,次の式を見てください。
この式を成り立たせる は,1組ではありません。 でも, でも, でも成り立ちます。答えがひとつに決まらないのです。理由は単純で,わからない文字が2つあるのに,条件(式)が1つしかないからです。
そこで,もう1つ条件を加えます。
この2つを同時に満たす を考えると,答えは の1組だけに決まります。このように,2つの式を組にしたものを連立方程式といいます。
文字が2つ → 式も2つそろって,はじめて答えが1組に決まる。
中心になる発想は「文字を1つ消す」
連立方程式が解けない原因のほとんどは,「文字が2つある」ことに圧倒されてしまうことです。でも,私たちが中1で解けるのは,文字が1つの1次方程式まで。だったら,やることは決まっています。
どうにかして文字を1つ消し,文字1つの1次方程式に持ち込む。
この発想さえ持っていれば,連立方程式は「知っている問題」に変わります。文字を消す方法が2つあり,それが加減法と代入法です。どちらも,使う道具は1次方程式と同じ等式の性質と移項だけです。
加減法
加減法は,2つの式を足すか引くかして,文字を1つ消す方法です。さきほどの連立方程式で試します。
に注目すると,上の式は ,下の式は で異符号です。異符号なので,2つの式を足すと が消えます。左辺どうし・右辺どうしを足します。
が消えて,見慣れた1次方程式 になりました。 と求まったら,これをどちらかの式に代入して を求めます。上の式に入れると,
答えは です。足すか引くかの判断は,消したい文字の符号で決めます。
消したい文字の係数が同符号なら引く,異符号なら足す。
ここまでは,消したい文字の係数がたまたま同じ大きさ( と )でした。でも実際には,係数がそろっていないことのほうが多いです。そのときは,式を何倍かして係数をそろえてから足し引きします。両辺を同じ数で掛けるのは,これも等式の性質そのものです。
一方の式だけを整数倍する
を消したいのですが,係数は と でそろっていません。そこで,下の式だけを2倍して, の係数の大きさを2にそろえます。
これで は と の異符号。2式を足すと が消えます。
を に代入して, より 。答えは です。掛ける数を選ぶときは,そろえたい係数の最小公倍数を目印にすると速く決まります。
両方の式を整数倍する
今度は の係数が と 。片方を整数倍するだけではそろいません。こういうときは,両方の式を掛けて係数を最小公倍数の にそろえます。上の式を3倍,下の式を2倍します。
の係数が どうしの同符号になったので,2式を引くと が消えます。
を に代入して, より 。答えは です。
係数がそろわないときは,最小公倍数を目標に,一方または両方の式を整数倍してからそろえる。
代入法
代入法は,片方の式をもう一方に代入して,文字を1つ消す方法です。次の連立方程式で試します。
上の式は の形に整理ずみで, が と等しいとわかっています。なので,下の式の を にそっくり置きかえます。
これで が消え,文字 だけの1次方程式になりました。あとはいつもどおりです。
を に代入して,
答えは です。
加減法と代入法の使い分け
2つの方法は,どちらでも解けます。ただし向き・不向きがあります。
| こんな式のとき | 向いている方法 |
|---|---|
| … や … の形に整理された式がある | 代入法 |
| の形が2つ並んでいる | 加減法 |
迷ったら,慣れるまでは両方で解いて答えが一致するかを確かめると,どちらの感覚も身につきます。どちらを選んでも,ゴールは同じ「文字を1つ消して1次方程式にする」ことです。
練習問題でたしかめよう
次の連立方程式を解いてみてください。1問目は加減法,2問目は代入法が向いています。文字を1つ消したら,あとは1次方程式として解くだけです。
解説
第1問(加減法) が上は ,下は で異符号なので,2式を足すと が消えます。
を に代入して, より 。答えは 。
第2問(代入法) 上の式 を,下の式の に置きかえます。
を に代入して 。答えは 。
どちらも,文字を1つ消したあとは中1で習った1次方程式そのものです。
かならず検算をする
連立方程式は文字が2つある分,求めた値は2つの式の両方に代入して確かめます。片方だけ合っていても,もう片方が合わなければ正解ではありません。第1問()で確かめます。
両方の式が成り立ったので, は正解です。連立方程式は計算の手数が多いぶん,途中の符号ミスが起きやすい単元です。最後に必ず両方の式へ代入する——これを徹底すると,ミスにその場で気づけます。
まとめ
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① 文字を1つ消す | 加減法(足す・引く)または代入法(置きかえる) |
| ② 1次方程式を解く | 移項と係数の処理(中1で習った通り) |
| ③ もう一方の文字を求める | 求めた値をどちらかの式に代入 |
| ④ 検算 | 2つの式の両方に代入して確認 |
連立方程式は,新しく覚えることが多い単元に見えて,その正体は**「文字を1つ消して,1次方程式に持ち込む」**だけです。土台になっているのは,中1で習った1次方程式と等式の性質。だからこそ,1次方程式があいまいなまま進むとつまずきます。逆に,そこが固まっていれば,連立方程式は自然に解けるようになります。
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本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
FAQ
よくある質問
なぜ式が2つ必要なのですか?
わからない文字が2つあるからです。x+y=7 という式が1つだけだと、x=3・y=4 かもしれないし x=5・y=2 かもしれず、答えがひとつに決まりません。文字が2つあるときは、式も2つそろって初めて答えが1組に決まります。だから2つの式を組にした連立方程式を考えます。
加減法と代入法はどちらを使えばいいですか?
どちらでも解けますが、使い分けの目安があります。x=… や y=… のように片方の文字について整理された式があれば代入法が速いです。そうでなく ax+by=c の形が2つ並んでいるときは、加減法(2式を足すか引くかして文字を消す)が向いています。慣れるまでは両方で解いて答えが一致するか確かめると力がつきます。
加減法で2式を足すか引くか、どう決めますか?
消したい文字の符号を見ます。消したい文字の係数が同符号なら引き、異符号なら足すと、その文字が消えます。係数の大きさがそろっていないときは、片方または両方の式を何倍かして係数をそろえてから足し引きします。
連立方程式が苦手です。何から練習すればいいですか?
まず1次方程式(文字1つ)を確実にしてください。連立方程式は「文字を1つ消して1次方程式に持ち込む」単元なので、土台の1次方程式があいまいだと必ずつまずきます。1次方程式がスラスラ解けるようになってから、加減法・代入法を1日3〜5問ずつ練習すると定着が速いです。
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