中1数学・文字式の「項」「係数」「同類項」をわかりやすく攻略する
「項」「係数」「同類項」という言葉でつまずく中1生へ。正負の数から1次方程式へ進む前の橋わたしとして、文字式のルール・項と係数の意味・同類項のまとめ方・代入を、具体例たっぷりにわかりやすく解説します。
この記事でわかること
正負の数の計算が一通りできるようになると,次は文字式,そして1次方程式へと進みます。ところが,この橋わたしの部分でつまずく中1生がとても多いのです。原因は計算が難しいからではありません。「項」「係数」「同類項」といった言葉の意味があいまいなまま先に進んでしまうからです。
1次方程式の解説では,「 の係数で両辺を割る」「項を移項する」といった言い方があたりまえに出てきます。これらの言葉を知らないと,せっかくの解き方の説明が頭に入ってきません。逆に,ここで言葉の意味と文字式のルールをしっかりおさえておけば,1次方程式はぐっとわかりやすくなります。この記事では,次のことを解説します。
- 文字式のルール(かけ算・わり算の記号の省略)
- 「項」とは何か
- 「係数」とは何か
- 同類項のまとめ方( になる理由)
- 文字式に数を代入して値を求める方法
そして最後に,これらが1次方程式へどうつながるかまで見通します。正負の数と1次方程式のあいだをつなぐ,大切な土台の回です。
文字式のルール
文字式とは, や などの文字を使った式のことです。文字式には,計算記号を省略して短く書くルールがあります。
かけ算の記号 は省く。
このとき,数は文字の前に書きます。 は と書き, とは書きません。文字が2つ以上のときは,ふつうアルファベット順にそろえます()。
は と書く。 は省きます。, です。
同じ文字のかけ算は累乗で書く。
わり算の記号 は分数で書く。
たとえば「ある数 を3倍して5を足す」は ,「 を2でわって1を引く」は と表せます。○例と×例で確かめましょう。
- ○ / ×
- ○ / ×
- ○ / ×
このルールに慣れることが,文字式の第一歩です。
「項」とは
項とは,式を (たし算)で区切った一つひとつのかたまりのことです。
この式は で区切ると, と の2つに分かれます。この と が,それぞれ「項」です。
ひき算がある式は, を「」と読みかえると項が見えます。
ですから, の項は と です。 のように,マイナスの符号もふくめて1つの項と考えるのがポイントです。
- の項 … ,
- の項 … ,
- の項 … ,,
このうち, や のように文字をふくまない項を定数項といいます。
「係数」とは
係数とは,文字の前についている数のことです。
は「 を3倍したもの」なので,その が係数です。いくつか見てみましょう。
- の係数 …
- の係数 … (符号もふくめる)
- の係数 …
- の係数 … ( だから)
- の係数 …
気をつけたいのは, や の係数です。記号が省略されているだけで,それぞれ係数は , です。1次方程式では「 の係数で両辺を割る」という操作が出てくるので,どの数が係数かをすぐ見抜けることが大切になります。
あわせて読みたい中1数学・正負の数をわかりやすく完全攻略する方法「項」は式を+で区切った部品。「係数」はその部品の中で,文字の前にいる数。
同類項のまとめ方
文字の部分が同じ項どうしを同類項といいます。 と は,どちらも文字が なので同類項です。同類項は,1つにまとめることができます。
なぜこうなるのか。 は「 が3つ」, は「 が2つ」という意味です。合わせれば「 が5つ」だから です。みかんで考えると当たり前です。
みかん3個 + みかん2個 = みかん5個。 も,これとまったく同じ。
ここで大事なのは,まとめるのは係数(個数)だけで,文字 はそのまま,という点です。かけ算をしているわけではないので, にはなりません。よくある×例を確かめましょう。
- ○ / ×
- ○ / × ( を消してはいけない)
- ○ ( の係数は1)
文字の部分がちがう項は,まとめられません。 は, と がちがう文字なので,これ以上まとめられず のままです。みかんとりんごは,合わせて「みかん5個」にはできないのと同じです。
定数項どうしは,ふつうの数の計算でまとめます。文字の項と定数項が混ざった式は,同類項どうし・定数項どうしをそれぞれまとめます。
この「同類項をまとめる」計算が,1次方程式を解くときに何度も出てきます。
文字式に数を代入する
文字に具体的な数をあてはめて,式の値を求めることを代入といいます。たとえば で のとき, のところに4を入れます。
代入で気をつけるのは,省略されていたかけ算の記号を,もとに戻して計算することです。 は なので, なら です。マイナスの数を代入するときは,かっこをつけると符号ミスが減ります。 で なら,
この代入は,1次方程式を解いたあとの検算でそのまま使います。求めた をもとの式に代入して,左辺と右辺が同じ値になれば,その答えは正しいと確かめられます。
1次方程式への橋わたし
ここまでで身につけた言葉と計算が,1次方程式でどう使われるかを見ておきましょう。たとえば,次の方程式です。
- 左辺の項は と ,右辺の項は と
- の係数は,左辺が ,右辺が
- の項を左に,定数項を右に集めて整理すると,同類項のまとめ方で
- 最後に の係数 で両辺を割る
- 出てきた答えを,代入して検算する
このように,1次方程式を解く操作は,この記事で学んだ「項」「係数」「同類項」「代入」をそのまま使っているだけなのです。逆に言えば,ここがあいまいだと,1次方程式の解説を読んでも言葉が素通りしてしまいます。
正負の数(計算の土台)→ 文字式・項・係数(言葉の土台)→ 1次方程式(答えを求める)。
文字式の言葉と計算は,方程式・関数・図形の証明まで,中学数学のあらゆる場面で使う共通の言葉です。ここをていねいにおさえておくことが,この先のすべての単元を支えます。
まとめ
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 項 | 式を+で区切ったかたまり | の項は , |
| 係数 | 文字の前の数 | の係数は , は |
| 定数項 | 文字をふくまない項 | の |
| 同類項 | 文字の部分が同じ項 | と |
| 代入 | 文字に数をあてはめる | , で |
文字式の「項」「係数」「同類項」は,知ってしまえば難しいものではありません。けれど,ここがあいまいなまま1次方程式に進むと,解き方の説明がまるごと頭に入ってこなくなります。正負の数と1次方程式をつなぐ,いちばん大事な土台がこの単元です。
クローネ学園が運営するクローネらぼの計算ドリルなら,登録不要・無料で文字式や1次方程式を毎日練習できます。言葉の意味をおさえたら,あとは手を動かして慣れていきましょう。
言葉の土台ができたら,次は中1・1次方程式の記事へ進みましょう。「項」「係数」がわかっていれば,移項も係数の処理もすんなり理解できます。文字式や方程式でつまずいている中学生は,クローネ学園の無料体験でご相談ください。高松市で中学生向けの学習塾をお探しの方は高松市の中学生向け学習塾もご覧ください。
本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)
FAQ
よくある質問
「項」と「係数」のちがいは何ですか?
項は、式を+で区切った一つひとつのかたまりです。たとえば 3x+2 なら、3x と 2 が項です。係数は、文字の前についている数のことで、3x の係数は 3 です。「項」は式の部品の名前、「係数」はその部品の中で文字の前にいる数の名前、と区別するとわかりやすくなります。
なぜ文字式ではかけ算の記号を省略するのですか?
式を短く、見やすくするためです。x×3 と書くと×と文字のxが紛らわしいので、数を前に出して 3x と書きます。a×b は ab、x÷3 は分数で x/3 と表します。省略にはルールがあり、数は文字の前、文字はふつうアルファベット順、1×x は x(1は省く)と書きます。このルールに慣れることが、1次方程式の第一歩です。
3x+2x はなぜ 5x になるのですか? 答えは 5x2 ではないのですか?
3x は「xが3つ」、2x は「xが2つ」という意味なので、合わせると「xが5つ」で 5x です。みかん3個+みかん2個=みかん5個と同じで、個数(係数)どうしを足し、文字xはそのままです。かけ算ではないので 5x2 にはなりません。文字の部分が同じ項(同類項)だけが、こうしてまとめられます。
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