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9数学高校生

【数Ⅱ】接線の方程式|「曲線上の点」と「曲線外の点」の違いを1つの考え方で攻略

「曲線外の点を通る接線」で手が止まる高校生へ。接線の方程式は、曲線上でも曲線外でも『傾きは微分係数・接点を通る』というたった1つの考え方に帰着します。2つの違いは「接点を知っているか、文字で置くか」だけ。この土台を、具体例とつまずきの急所つきで解説します。

この記事について

微分を習うと出てくる「接線の方程式」。曲線上の点での接線は解けるのに,「曲線外の点を通る接線」になったとたん手が止まる——この差でつまずく高校生はとても多いです。教科書では別の問題のように並んでいますが,実はこの2つはまったく同じ1つの考え方でできています。

この記事の土台は,たったこれだけです。

接線とは,傾きが微分係数 f(接点)f'(接点) で,接点を通る直線

曲線上でも曲線外でも,求めることはこれだけ。ちがいは「接点を知っているか,文字で置くか」の一点だけです。この土台をつかめば,2つのタイプが地続きに見えてきます。


接線の土台:傾きは微分係数、接点を通る

復習:傾き mm で点 (a,b)(a,b) を通る直線は y=m(xa)+by=m(x-a)+b 接線も直線なので,まずこの直線の式を思い出しておきます。なぜこの形になるのか,理由まで確認しておきましょう。

傾き mm の直線は y=mx+cy=mx+c と書けます(cc は切片)。この直線が点 (a,b)(a,b) を通るなら,x=a,y=bx=a,\,y=b を代入して b=ma+cb=ma+c,つまり c=bmac=b-ma。これを戻すと,

y=mx+(bma)=m(xa)+by = mx + (b - ma) = m(x - a) + b

となります。y=m(xa)+by=m(x-a)+b は,「傾き mm」と「通る1点 (a,b)(a,b)」さえわかれば直線が1本に決まることを,そのまま式にしたものです。接線も結局は直線なので,あとは「傾き」と「通る点」の2つを用意すれば書けます。

では,すべての出発点になる考え方を確認します。関数 y=f(x)y=f(x) のグラフ上の点 (t,f(t))(t,\,f(t)) における接線は,

  • 傾き=その点での微分係数 f(t)f'(t)
  • 通る点=接点 (t,f(t))(t,\,f(t))

なので,いまの直線の式 y=m(xa)+by=m(x-a)+b にあてはめて,

y=f(t)(xt)+f(t)y = f'(t)\,(x - t) + f(t)

これが接線の方程式の完成形です。接線の問題は,結局この式の tt(接点)をどう決めるかに尽きます。tt がわかれば,あてはめるだけで終わります。

接線の問題=「接点 tt を決める問題」。式はいつも y=f(t)(xt)+f(t)y=f'(t)(x-t)+f(t)


曲線上の点:接点はもう与えられている

与えられた点が曲線のにあるとき,その点がそのまま接点です。tt を探す必要はありません。

例題1 y=x33xy=x^3-3x 上の点 (2,2)(2,\,2) における接線を求めよ。

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(2,2)(2,2) は曲線上の点なので,これが接点です。t=2t=2 とわかっているので,この土台の式にあてはめるだけです。

f(x)=x33xf(x)=x^3-3x を微分して f(x)=3x23f'(x)=3x^2-3。傾きは

f(2)=3223=9f'(2) = 3\cdot 2^2 - 3 = 9

接点 (2,2)(2,2) を通り,傾き 99 の直線だから,

y=9(x2)+2=9x16y = 9(x-2) + 2 = 9x - 16

(答)y=9x16y = 9x - 16

例題2 y=x3+x21y=x^3+x^2-1 上の点 A(1,1)A(1,\,1) における接線を求めよ。

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f(1)=13+121=1f(1)=1^3+1^2-1=1 なので,A(1,1)A(1,1) はたしかに曲線上の点。これが接点です。

f(x)=3x2+2xf'(x)=3x^2+2x より傾きは

f(1)=312+21=5f'(1) = 3\cdot 1^2 + 2\cdot 1 = 5

接点 (1,1)(1,1) を通り,傾き 55 の直線だから,

y=5(x1)+1=5x4y = 5(x-1) + 1 = 5x - 4

(答)y=5x4y = 5x - 4

曲線上の点では,接点が最初からわかっているので,微分係数を傾きにして即あてはめるだけ。ここは迷う余地がありません。


曲線外の点:接点を tt と置いて、通る条件で決める

問題は,与えられた点が曲線の上にないときです。たとえば (1,3)(1,-3) のような点。このとき,(1,3)(1,-3) は接点ではありません。接点はグラフ上のどこか別の場所にあり,まだわかりません。

ここで詰まる人の多くは「与えられた点を接点として代入してしまう」というミスをします。外の点は接点ではないので,それでは解けません。わからない接点を tt と置く——これが外の点の唯一にして最大のポイントです。

例題3 点 (1,3)(1,\,-3) から放物線 y=x2y=x^2 に引いた接線を求めよ。

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まず確認x=1x=1 を代入すると 12=131^2=1 \ne -3。だから (1,3)(1,-3)曲線外の点です。接点ではないので,接点を tt と置きます。

f(x)=x2f(x)=x^2f(x)=2xf'(x)=2x より,接点 (t,t2)(t,\,t^2) における接線は,土台の式にあてはめて

y=2t(xt)+t2=2txt2y = 2t(x - t) + t^2 = 2tx - t^2

この接線が点 (1,3)(1,-3) を通る,という条件で tt を決めます。x=1,y=3x=1,\,y=-3 を代入して,

3=2t1t2t22t3=0(t3)(t+1)=0\begin{aligned} -3 &= 2t\cdot 1 - t^2 \\ t^2 - 2t - 3 &= 0 \\ (t-3)(t+1) &= 0 \end{aligned}

接点は t=3t=3t=1t=-12つ。外の点からは接線が2本引けるわけです。それぞれ土台の式にあてはめます。

t=3t=3 のとき,傾き 23=62\cdot3=6,接点 (3,9)(3,\,9) だから y=6(x3)+9=6x9y=6(x-3)+9=6x-9

t=1t=-1 のとき,傾き 2(1)=22\cdot(-1)=-2,接点 (1,1)(-1,\,1) だから y=2(x+1)+1=2x1y=-2(x+1)+1=-2x-1

(答)y=6x9y = 6x - 9y=2x1y = -2x - 1

例題4 点 (0,1)(0,\,-1) から放物線 y=x2y=x^2 に引いた接線を,接する条件(判別式)で求めよ。

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例題3は「接点を tt と置く」解法でした。同じ問題は,接する条件でも解けます。どちらも結局は同じ土台を別の文字で表しているだけです。

まず確認:x=0x=002=010^2=0\ne-1 なので (0,1)(0,-1) は曲線外の点。求める接線を「傾き mm(0,1)(0,-1) を通る直線」と置きます。

y=mx1y = mx - 1

これが y=x2y=x^2接する条件を使います。連立して yy を消すと,

x2=mx1    x2mx+1=0x^2 = mx - 1 \;\Longrightarrow\; x^2 - mx + 1 = 0

接する=この2次方程式が重解をもつ,ということなので,判別式 D=0D=0

D=(m)241=m24=0    m=±2D = (-m)^2 - 4\cdot 1 = m^2 - 4 = 0 \;\Longrightarrow\; m = \pm 2

m=2m=2 なら y=2x1y=2x-1m=2m=-2 なら y=2x1y=-2x-1

(答)y=2x1y = 2x - 1y=2x1y = -2x - 1

接点を tt で置く解法(例題3の流れ)と,傾き mm を置いて判別式で解くこの解法は,どちらも「接する」という同じ土台を別の文字で表しているだけです。3次関数など「接する=重解」が使いにくい曲線では tt で置く解法を,放物線では判別式を,と使い分けると速く解けます。

曲線外の点:接点はわからない → tt と置く → 接線を tt で表す → 「外の点を通る」を代入して tt を決める。


つまずきの急所:解く前に「上か外か」を必ず確かめる

このタイプで答えを落とす原因は,ほぼ1つです。与えられた点が曲線上か曲線外かを確かめずに解き始めること。

  • 上の点なのに tt で置いて遠回りする(解けるが時間を浪費)
  • 外の点なのに,その点を接点として代入してしまう(解けない・答えを落とす)

防ぐ方法は簡単です。解き始める前に,点の xx 座標を関数に代入し,yy 座標と一致するか確かめる。一致すれば上の点(その点が接点),一致しなければ外の点(接点を tt と置く)。例題3で最初に f(1)=13f(1)=1\ne-3 を確認したのは,このためです。

はじめの一手は「代入して上か外かを判定」。ここを飛ばすと外の点で必ず詰まる。


まとめ:接線は1つの土台、ちがいは接点の置き方だけ

曲線上の点曲線外の点
与えられた点は接点そのもの接点ではない
接点 tt既知(その点)未知 → tt と置く
手順微分係数を傾きに即あてはめ接線を tt で表し,通る条件で tt を決める
接線の本数1本接点の個数だけ(複数のことも)
共通の式y=f(t)(xt)+f(t)y=f'(t)(x-t)+f(t)y=f(t)(xt)+f(t)y=f'(t)(x-t)+f(t)

教科書では別々に並ぶ2つのタイプも,土台はまったく同じ「傾きは微分係数・接点を通る」です。ちがいは接点を知っているか,文字で置くかだけ。だから,まず点が曲線の上か外かを確かめ,上なら即あてはめ,外なら接点を tt で置いて通る条件で決める——この一本道で,どちらも崩せます。

接線が「2点を結ぶ割線の極限」であることや,微分係数が接線の傾きになる理由は,数Ⅲ・三角関数の極限の記事で扱う「極限」の考え方とつながっています。土台から理解しておくと,応用が利きます。


クローネ学園での指導

クローネ学園では,接線の問題を「上の点の公式」「外の点の公式」と別々に暗記させません。『傾きは微分係数・接点を通る』という1つの土台から,両方を同じ流れで導けるように指導します。やり方を2つ覚えるより,1つの考え方で2つを説明できる方が,初見の問題にも強くなるからです。

接線を得点源にする指導のポイント: 「解く前に上か外かを判定する」「外なら接点を tt と置く」という手の動かし方を,言葉で説明できるところまで練習します。公式の暗記ではなく,土台からの理解。これは,計算をAIが肩代わりするこれからの時代にこそ価値が出る学び方です。

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本記事の文章・図版の著作権はクローネ学園に帰属します。無断転載・複製・二次利用を禁じます。(執筆:横田 耕祐)

FAQ

よくある質問

曲線上の点と曲線外の点で、接線の求め方はどう変わりますか?

考え方は同じで、ちがうのは『接点を知っているかどうか』だけです。曲線上の点なら、その点がそのまま接点なので、微分係数を傾きにして即座に接線が書けます。曲線外の点では接点がわからないので、接点を (t, f(t)) と文字で置き、『その接線が外の点を通る』という条件から t を求めます。どちらも『傾きは微分係数・接点を通る』という1つの土台から出てきます。

なぜ曲線外の点では接点を t と置くのですか?

接線は必ず曲線のどこか1点で接していて、その接点が決まらないと傾きも決まらないからです。外の点はその接点ではないので、まだわからない接点を t と置きます。接線の式を t で表しておき、最後に『外の点を通る』条件を代入すると t の方程式ができ、接点が定まります。接点が複数あれば、外の点から引ける接線も複数本になります。

与えられた点が曲線上か曲線外か、どう見分けますか?

その点の x 座標を関数に代入して、y 座標と一致するかを確かめます。一致すれば曲線上の点(その点が接点)、一致しなければ曲線外の点(接点は別にあるので t と置く)です。この最初の確認をとばすと、外の点なのに上の点として解いてしまい、答えを落とします。解き始める前に必ずチェックする習慣をつけましょう。

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