慶應義塾中等部2016 大問5|点の移動と面積を速さの比で攻略する
慶應義塾中等部2016年度の算数大問5を解説。正方形の周上を逆向きに動く2点の出会いと、4点で囲む多角形の面積が半分以上になる時間を、速さの比と点の移動の考え方で求めます。高松市の学習塾クローネ学園が中学受験の難問を丁寧に解説。
この問題について
慶應義塾中等部 2016 年度の大問 5 は、正方形の周上を逆向きに動く 2 点の「出会い」と、その 2 点を含む 4 点で囲んだ多角形の「面積の変化」を組み合わせた問題です。速さ・点の移動・平面図形が一度に問われる、中学受験でも差がつく融合問題です。
(1) は出会い算の基本で確実に取りたい問題、(2) は点が頂点を曲がるたびに面積の増え方が変わることに気づけるかどうかが勝負になります。この記事では以下を解説します。
- この問題の分野と難易度
- 出会い算で二人が出会う時間の求め方(道のりの和)
- 点が頂点を曲がるところで区切って面積の変化を追う考え方
- 速さの比を使って面積が半分になる位置を求める方法
慶應義塾中等部(2016)大問 5
グラウンドに図のような一辺 30m の正方形 ABCD をかき、辺 AB 上に AE:EB = 1:2 となる点 E をとりました。 今、太郎君と花子さんは点 E にいます。 太郎君は点 E から正方形の周上を反時計回りに毎秒 1.6m の速さで、 花子さんは点 E から正方形の周上を時計回りに毎秒 0.8m の速さで同時に出発し、二人が出会うまで歩きます。 次の □ に適当な数を入れなさい。
- (1)二人が出会うのは、同時に出発してから 秒後です。
- (2)二人が出発する点、太郎君がいる点、二人が出会う点、花子さんがいる点の順に 4 つの点をまっすぐな線で囲んで作られる多角形の面積が、 正方形ABCDの面積の半分以上になるのは、 同時に出発してから アイウ 秒後から エオカ 秒後までです。
難易度: ★★★☆☆ 分野: 速さ・点の移動・平面図形 目安時間: 8分
点の移動と面積の求め方(解法のポイント)
この問題のカギは、面積を一気に求めようとせず、次の 2 点を意識することです。
- 出会う時間は、二人が進んだ道のりの「和」が一周分になるときで求める
- 面積は、点が頂点を曲がるところで区切り、区間ごとに変化を追う
点が移動する向きが変わると、多角形の面積の増え方や減り方が変化します。ですから、どちらかの点が頂点にくるところを目印にして調べていくと、解法の方向性が見えてきます。
大問5(1)
二人が出会うのは、同時に出発してから何秒後ですか。
向かい合って進む2点の出会いです。まずは自分で考えてみましょう。できたら下の「答え・解説を見る」を開いてください。
答え・解説を見る
正方形の周りの出会いなので、二人が進んだ道のりの合計が m になるときに出会います。
(答) 50 秒後
大問5(2)
4点で囲む多角形の面積が、正方形ABCDの面積の半分以上になるのは、出発してから何秒後から何秒後までですか。
点が頂点を曲がるところで区切る、という見通しで挑戦してみましょう。
答え・解説を見る
(1)から、二人が出会うのは D だとわかります。
点が移動する方向が変化すると、面積の増え方が変わります。 ですから、二人が頂点にいるときに注目して考えましょう。
スタート時点では、4 点を結んでできる面積は 0cm² です。 多角形の面積は増え始めます。 AE:EB = 1:2 で 花子と太郎の速さの比も 1:2 なので、太郎が B に着くのと、花子が A に着くのは同時です。(下左図) ですから、4 点を結んでできる多角形の面積は全体の半分です。 花子に注目して、
ここから、少し時間が経つと多角形の面積はさらに増えていきます。 つまり、太郎が BC 上にいる間は面積が増え続けます。 太郎が C に着いたときも多角形は全体の半分以上です。
太郎と花子が D についたときには、多角形の面積は 0cm² ですから(下右図)、太郎が D に向かう途中で多角形はまた全体の半分になります。
下左図のとき多角形が全体の半分だとします。 EFQとCEPの合計は cm² です。 花子と太郎の速さの比は 1:2 なので(三角形の底辺)FQ:CP = 1:2 で、(三角形の高さ)AE:BC = 1:3。
したがって、多角形の面積が半分以上になっているのは
(答)ア 12,イ 1,ウ 2,エ 31,オ 13,カ 14
この問題から学ぶこと
この問題の核心は、点の動きが変わる瞬間で区切って考えることです。点が頂点を曲がると、多角形の辺の伸び方が変わり、面積の増減も切り替わります。だからこそ、太郎や花子が頂点に着くタイミングを目印に区間を分け、それぞれの区間で面積がどう変化するかを順に追っていくのが正攻法になります。
もう一つの大切な道具が速さの比です。同じ時間に進む道のりの比は速さの比に等しいので、三角形の底辺や高さをその比で表せます。長さを一つひとつ求めなくても、比だけで面積の関係をつかめるようになると、複雑に見える問題も一気に見通しがよくなります。
クローネ学園での指導
クローネ学園では、こうした融合問題を「いきなり計算する」のではなく、まず動きを図と言葉で整理するところから指導します。「どこで面積の増え方が変わるか」を自分で予想させ、頂点ごとに図を描き直しながら、変化のしくみを体で理解してもらいます。
思考力を育てる指導のポイント: 答えの数値より「なぜそこで区切るのか」を説明できることを重視します。初めて見る問題でも、区切って考える・比で結ぶという武器があれば自分で崩していけます。これは、AIには肩代わりできない、人にしか育てられない力です。
まとめ
- 点の移動と面積の問題は、点が頂点を曲がる瞬間で区間を分けて考える
- 出会い算は二人の進んだ道のりの「和」が一周分になる時間で求める
- 速さの比=同じ時間に進む道のりの比。三角形の底辺・高さに使って面積を比で求める
- 数値計算より「どこで区切るか」を見抜く見通しの力が差をつける
クローネ学園では、最難関中・医学部を目指す算数・数学の個別指導を行っています。 高松市で小学生向けの学習塾をお探しの方は高松市の小学生向け学習塾もあわせてご覧ください。無料体験・お問い合わせはこちらからどうぞ。
FAQ
よくある質問
点の移動と面積の問題は、どこに注目して考えればよいですか?
点が頂点を曲がると、動く向きが変わって面積の増え方・減り方が切り替わります。ですから、どちらかの点が正方形の頂点に着く瞬間ごとに区切って、その間の面積の変化を調べるのがコツです。グラフを描くように区間ごとに考えると、複雑な動きも整理できます。
「出会い算」では何を手がかりに時間を求めますか?
向かい合って進む2点が出会うのは、二人の進んだ道のりの合計が一周分になったときです。この問題なら正方形の周 30×4=120m を、二人の速さの和 1.6+0.8=2.4m毎秒で進む時間として 50秒後と求められます。和に注目するのが出会い算の基本です。
速さの比は面積を求めるときにどう使えますか?
同じ時間に進む道のりの比は速さの比と等しくなります。三角形の底辺や高さがこの比で表せるので、面積の比も底辺×高さの比として計算できます。この問題では速さの比1:2と図形の辺の比を組み合わせ、面積が半分になる位置を比だけで求めています。
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